Negicco 2003〜2012(第6回)
[ interview ]
リリースまであと1週間! ワンマンまであと1か月! 楽曲そのものやパフォーマンス、三者三様なキャラクターの魅力によって新潟を拠点にジワジワと支持を広げ、タワレコのアイドル・レーベル=T-Palette入りを経てついに全国区へと飛び出したNegicco。「めちゃ×2イケてるッ!」のエンディング・テーマ“圧倒的なスタイル”などの名曲を満載したベスト・アルバム『Negicco 2003~2012 -BEST-』のリリースに続いては、3月17日には待望のワンマンライヴを東京・渋谷のSOUND MUSEUM VISIONにて敢行……というタイミングで、彼女たちの活動を長年見守ってきたプロインタビュアー・吉田豪の濃厚な7週連続インタヴュー連載もいよいよ佳境の第6回目、Nao☆ちゃんの後編です! 前週までの第1~5回はもちろん、ライヴ情報もぜひチェックしてね!
・〈TOWER RECORDS Presents Negicco ワンマンライブ-BEST of Negicco-〉の詳細はこちらから!
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縁は大事だと思いました
――『ヌキ天』も勝ち抜いたはいいけども、そこで安心出来る状態になるわけでもなくて。
Nao☆「そうなんです! だから、ちゃーみー♡くいーんさんを見てて、私たちもこういう環境になれるんだなって思ってたのに、USENさんのバックアップもなくなったし、賞金の100万円もなくなったし……」
――あの時期、GyaOが大変な状況だったんですよね。だから制作会社が変わって、ボクが審査員に入ったわけなんですけど。
Nao☆「でも、豪さんと出会えるきっかけになったので、すごいよかったです」
――それまでは、もっと芸能界的な人が審査員だったから、予算がなくなってボクになったわけです(笑)。
Nao☆「そうなんですか! でも、それがなきゃ辞めてましたし、繋ぎ止められる何かもなかったですし……」
――ホント、かろうじて続けてきたわけですよね。勝ち抜いたはいいけど1年間放置されたりとか、辞めずには済んだけど、その先に小さな希望が見えてるからもうちょっとがんばってみる、ぐらいの感じで。
Nao☆「そんな感じでしたね……。しかも曲が来たときビックリしちゃって、みんな大泣きして。〈なんでこんな曲を歌わなきゃいけないの!〉〈やっとネギっていうレッテルから抜け出せてたのに、またネギに戻るの?〉〈私もうやれない!〉みたいな感じで。でも、〈とりあえず何クソ根性でがんばろう〉ってなって。そしたら、あの曲のおかげでいろんなTV局さんとかからオファーをいただけたので」
――ネギというインパクトのあるネタが、最初だけで終わってたらもったいないですからね。
Nao☆「そしたら、いまの私たちはなかったと思います。Negiccoって名前のインパクトがありますし。だから、よかったなって。アイドルブームっていうのがないときからNegiccoで活動してて、いまはみんないろいろ〈私たちもやろう〉ってことで、いろんなグループを作ってるとは思うんですけど、名前のインパクトってすごい大事なんだなって思います」
――同じ地方アイドルのPerfumeがブレイクしてるときに、〈なんで私たちはまだネギなの?〉みたいになるのはわかりますけどね。
Nao☆「ああ、実際なってました。だから、Perfumeさんをいろいろ意識して動いたりとかもあったんですけど……」
――あきらかに振付がそうなったりで。
Nao☆「すごいんですよ、connieさんのあのチャレンジ精神って。ほかにもギリギリのラインの曲とかあって」
――元ネタが丸わかりで(笑)。
Nao☆「はい。〈でも、そこで負けるんじゃなくて、もしかしたらそこで注目を集めるかもしれないんだし、逆にやってやるぞ!的な感じでいかないとダメだよ〉って言われて。それで、曲の振付も“ポリリズム”から取った感じになって(笑)」
――わかりやすく取ってましたよね(笑)。
Nao☆「“ポリリズム”のいちばん代表的ともいえる場所から取ってて」
――すごいと思いましたもん。でも、あれでボクは再度Negiccoに注目したんですよ。
Nao☆「そうなんです。豪さんが“My Beautiful Life”からまたNegiccoに注目してくれたって話を聞いて、やっぱり良かったんだなって」
――結果的には正解だったと思います。ただ、その後も紆余曲折ばかりあるわけじゃないですか。チャンスをつかんでは失い、の繰り返しで。
Nao☆「はい。いつもそんな感じで。結局、『プラスちっく☆スター』のCDもああいう形で、いい曲にはなりましたけど、気がついたらただのCDデビューになったっていうか、CDデビューならもうしてるじゃんって感じで」
――『ヌキ天』で勝ち抜いたらメジャー・デビューできるはずでしたからね。そもそも、デビュー・シングルも徳間というメジャーで流通してなかったっけ、みたいな。
Nao☆「はい。だから、そうなって落ち込んじゃって……」
――それこそ家族のプレッシャーもあるわけじゃないですか。期待を一身に背負ってるわけで。
Nao☆「それは常にあることなので。家族がいるからこの活動をやめられないっていうのはいちばんあるなっていう感じで。もちろん、いろんな人にいろんなことをされて、嫌な経験とかも……」
――嫌な経験!
Nao☆「プライドをズタズタにされたりとかもあったんですけど……」
――そんなことされたんですか!
Nao☆「でも、家族が喜んでることとかいろいろ考えると、やっぱりやめられないなって……」
――お祖父ちゃんとかお兄ちゃんとかお母さんのことを思うと、負けてたまるかって。
Nao☆「そうですね、何クソ根性で」
――そういえば、お父さんの話が全然出てこないですよね?
Nao☆「あ、さっきお話しした母と別居してた時期も、父は私や兄には会いたがってて。私、ガメラが大好きなんですよ。『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』っていう映画があるんですけど……」
――ああ、いい映画ですよね。
Nao☆「すっごくいい映画ですよね! それで、〈何これ! 京都駅ビル? 金閣寺?〉とか言って、その映画に出てきた場所を実際に見に行きたいって父と言い出して」
――お父さんとロケ地探訪ツアーをやろう、と。
Nao☆「で、泊まるホテルもなく、京都に行って車で寝泊まりしたんです。そしたら後から母と兄も来てくれて・・・。それがきっかけになって、また仲良くなって。だから、あの映画がなかったらヨリを戻してなかったです」
――つまり、『ガメラ』きっかけで復縁したわけですか!
Nao☆「はい。これは話したことがなかったんですけど……。だからホントに縁っていうか、運命っていうか、そういうのは大事だなって思いました」