INTERVIEW(3)——匂いのあるバンド
匂いのあるバンド
――いや、でもMERRYの場合、曲名そのものが昭和ロマンのような雰囲気を漂わせているでしょう? それはいまの視点で〈日本語を大切にしています〉という人たちとはまた違った匂いがあると思うんですよ。
ガラ「あぁ、それっすね。俺、匂いのするバンドでありたいんですよね、別にいい匂いじゃなくていいんですけど、それがいろんな人を引き寄せるじゃないですか。好き嫌いもあるけど」
――おもしろいもので、人はちょっとイヤな匂いも嗅いでみたくなるんですよね(笑)。
ガラ「あっ、それがMERRYかもしれない(笑)。何かこいつら嗅いでみようかなって。絶対にいい匂いじゃないもん。MERRYだから、結成初期に羊を見に行ったことがあるんですけど、羊って可愛らしいイメージがあるじゃないですか。でも近くで見ると、ホントに人を殺しそうな怖い目をしているわけですよ。あのフワフワした毛皮も、触ってみるとベタベタしてたり(笑)」
ネロ「クセになる匂いだったらいいなと思いますね」
ガラ「でも、やっぱり臭いんだろうね、MERRYって(笑)。〈くさや〉って食ったことないけど、アクが強いほうが惹き付けられるじゃないですか(笑)」
テツ「いやいや、そこはいい匂いってことにしておこうよ(笑)」
――そうですね(笑)。その匂いの感じ方は人それぞれですが、MERRYの入門編として、この〈MERRY VERY BEST〉は適切なアルバムではあると思うんですよ。
ガラ「はい。それぞれのアルバムから2~3曲ずつ選んでますし、ホントに最新型のMERRYまで入ってるんで、このアルバムがあればほぼ網羅できると思いますね。曲のヴァリエーションかもしれないですけど、自分でも素直に〈こいつらおもしろいな〉って思って聴けたんですよね」
テツ「特に初回限定盤はフォトブックが付いていて、うちらが見ても、すごく久しぶりに思えるレアな写真が入ってるんですよ。聴きながらそれを眺めてもらえると、それぞれの年代がリンクするんじゃないかな。やっぱりパソコンの画面とかでチラチラっと見るのとでは、伝わってくるものが全然違うと思うんですよ。CDを買う原点と言うか、歌詞カードを見ながら楽曲を聴く良さも、改めて感じてもらえるんじゃないかな。デザインもすごく凝ってますし」
――これまでもMERRYはパッケージにもすごくこだわりを見せてきましたよね。巾着袋みたいなものに入っていたり、立体的なジャケットだったり……。
ガラ「LPサイズのジャケットにCDを入れてたりね。楽曲だけじゃないんですよね。すべて含めてひとつの俺らの作品なんで、そこはいままでも一切、手を抜いたことはなかったですし、あまり人がやらないことをやってきましたし。もう11年目に入ってますけど……10年やってきたことで、打たれ強くもなったなと思いますけど(笑)、それこそ僕がバンドを始めるキッカケにもなったBUCK-TICKといっしょにライヴができたり、トリビュート・アルバムに参加できたりしてる。総括しちゃうと、やってきたことに間違いはなかったから、こういったステージに立てているんだなと思いますし。いま、いろんな人に〈MERRYを観てください!〉と自信を持って言えますし、ファンに対しても〈ついてこいよ!〉って言えるんですよ。20年目にまたこういったアルバムが出せたら、バンドとしても美しいですよね」
テツ「そうですね。最近、フェスとかに出て大海を知る機会はすごく多かったので、これからまた変わっていくと思いますしね。10年目にして新人ではないですけど、また新たなスタートである気持ちは強いです」
ネロ「ジャンル分けしてるのは僕らのほうかもしれないですね。自分たちのありのままを出せば、応えてもらえるんだなって。いま、すごく自信に満ち溢れてます」