INTERVIEW(4)――アルバムをすぐ手に取れるようにしたい
アルバムをすぐ手に取れるようにしたい
――で、今回ミニ・アルバム『Problems』がリリースされたわけですが、初の全国流通盤になりますね。
長岡「ライヴに行くと各地で言われるんですよ、〈音源が買えない!〉って。それで、アルバムをすぐ手に取れるようにしたいと思って、今回こういう形でリリースすることにしました」
――今回は6曲が収録されていますが、せっかくなので各曲解説をしていただきたいんですが。
長岡「いいですよ。まずは1曲目の……」
――“カザーナ”ですね。これはすでにライヴでお披露目済みの曲で。
河村「久々の明るい曲ですね。ライヴでやってても開放感があって楽しいんですよ」
長岡「風が強いイメージですね、これは」
――前、TVのインタヴューで〈台風が来ると曲が書ける〉っておっしゃってましたよね?
長岡「そうそう(笑)。これを書いていたときはウチの物干し場のトタンが飛んで行きましたからね。台風が来ると、何かこう掻き乱されるみたいな感じがあるじゃないですか」
――そのあたりは〈巻き込まれてるみたい/巻き込んでしまいたい〉という歌詞にも反映されている?
長岡「そうですね。気持ち的な台風というか」
――2曲目は“エイシア”。
長岡「これは1年ぐらい前の段階で出来てた曲なんですけど、ライヴでは全然やってなくて」
河村「存在はしてたけど、そのままになってたんです」
――この曲もまたコーラスワークが凝ってますね。
河村「確かにいちばん苦労した思い出がありますね。レコーディングにしてもライヴにしても」
長岡「結構この曲は和声がヘンですからね」
――イントロはR&Bっぽい感じなのに、やっぱりいろんなパートが用意されていて。
長岡「何かそうなっちゃったんですよ(笑)。レコーディング直前に新たなパートを付け足したので、ライヴではまだやってないアレンジになってます」
――3曲目は“ASB”。これはライヴ会場限定でリリースされていたライヴ盤『Capture419』にも収録されていた曲ですね。
河村「結構〈遊び〉の入ってる曲ですね」
長岡「タイトル通りの曲というか。あまりペトロールズにはなかったタイプの曲で」
三浦「これも演ってて楽しいんですよ。加えてちょっと妖しい感じ。〈ピンク・パンサー〉的にポップでダークというか」
長岡「ああ、なるほど。いいね、〈ピンク・パンサー〉」
――『Capture419』のヴァージョンとは部分的にアレンジが変わってますね。
河村「確かに以前よりもっと遊んでますね、今回のほうが」
長岡「『Capture419』より前の“ASB”はドラムも重くてロックっぽかったんですよ。これは最初のアレンジとだいぶ変わってます」
お約束は良くない
――4曲目も『Capture419』にも収録されていた“誰”。
長岡「この曲のアレンジもだいぶ変わってますね」
河村「もともとだいぶゆったりとした曲だったんですけど、急に(ライヴで演奏自体を)やらなくなって。そうしたら(長岡)亮介がいきなり〈あの曲、やろう!〉って言い出して、気付いたらこんなアゲアゲのアレンジになってた(笑)」
長岡「思いついちゃうんですよ。〈あ、こっちだったわ〉みたいな。そういうケースもたまにあるんです――面倒臭い奴ですよね(笑)」
――5曲目の“止まれ見よ”は初披露の新曲ですね。
長岡「とにかく速い曲をやりたかったんです。ライヴでもやってない曲なんで、ライヴ用にどうするか考えないといけないんですけど……ひょっとしたらドロドロのスロウになってるかも(笑)」
――ラスト6曲目は同じく新曲の“モラル”。
長岡「これは1回だけライヴでやったことがありますね」
河村「でも、いまとは全然違うアレンジで」
三浦「ボーナス・トラック的な感じというか」
――中盤でガッとアゲて、ラストのこの曲で着地。いや、着地というか……。
長岡「グラグラしながら着地する感じというかね(笑)。次の作品へ繋がる曲という感覚かな」
三浦「連ドラでいうと、何か問題が起きて来週に続くっていう(笑)」
――じゃあ、次の作品のイメージもあるんですか。
長岡「(即答で)ないです(笑)。ただ、この曲は次にやることに対するのりしろみたいなものかもしれない」
――そして、この後ライヴがいろいろと控えているわけですね。12月には恵比寿リキッドルームのワンマンも予定されています。どんなライヴになりそう?
長岡「僕たちのライヴを観たことがない方もたくさん来ると思うんですけど、その段階での現状を見せられれば。今回のアルバムに入ってる曲もやると思いますし……」
――アレンジも当日までどうなってるかわからない、と。
長岡「そうですね。やっぱり、お約束は良くないので」