INTERVIEW(4)――音楽の楽しさを届けたい
音楽の楽しさを届けたい
――アルバム曲で言うと、たとえば“メイドミー…”とか、シングル曲とは違って、あえて薄くして、アンサンブルの抜き差しで勝負してるようなタイプの曲もありますよね。
沙田「“メイドミー…”は特にそうですね」
――これはどういう作り方で?
沙田「たとえば“潜在証明”と“メイドミー…”は小夜子がメロディーを作りはじめていて、その小夜子のメロディーの強さにすごく発見があった2曲で。小夜子の頭のなかではこんなにいいメロディーが鳴ってたのか!って、すごくドキドキしたのを覚えてます。それをちゃんと幸子が消化して歌ってる姿を見た時に、これは4人のアルバムになるんだなって思ったし。これからの可能性みたいなものを秘めてるなって思いました」
――そして、最後の曲が “flower”。この曲のアルバムのなかでの位置付けはどういう感じなんですか?
沙田「ええと、私たちのなかでは、“flower”はすごく愛おしい曲というか(笑)」
蒼山「裏テーマになってるよね」
沙田「そう、ずっと前からセカンドには“flower”を入れたいねって、全然アルバムが見えてないのに漠然と言ってたぐらい。この曲を入れたことによってわかったのが、こういう音をこれからも出したいんだ、出していくんだ、っていうこと。それをちゃんと予感させることができる曲ですね。これって『Hello! “Z”』に入ってる“うずまき”とかを作った時の、音楽ってすごい楽しくて、こねこねして、イタズラをして、みたいな、そういういちばん最初に感じていた楽しさみたいなのがすごく詰まってる曲で。だから、これをちゃんとこれからも私たちは鳴らしていくし、それにみんなが乗っかっていってくれるんじゃないかなっていう予感もしてるよっていう意味もあって、最後に入れてるんです」
――この曲の特に中間部から後半にかけてのアンサンブルの自由っぷりは半端ないですよね。
沙田「攻めてますよね(笑)。この曲は、2年ぐらい前にほぼいまの形の原型があったんです。そこから後半にかけてのアレンジ、間奏部分を足していって(笑)。この曲はロングでいいんだ、長い曲でいいんだ!っていう、なぜかみんなでそういうふうに言っていて、3分だったのが6分ぐらいになった(笑)」
蒼山「すごいドリーミーで、ちょっとひねくれてて(笑)。違う世界にいるみたいなんだけど、なんか温かくて切ないというか、心に飛び込んでくるものがあって。そういうものって、いちばん私たちが大事にしてるものであったりするので、この曲はたくさん聴いてほしいなと思いますね」
――ちなみに、タイトルの『5』という言葉の由来はどういうところから?
蒼山「『5』っていうのは、4人プラス聴いてくれてる人、ねごとというチームを支えてくれてる人の存在の〈+1〉で『5』っていうタイトルにしたんですね」
――じゃあ、これもやっぱりライヴで意識したことが背景にある。
蒼山「そうですね。この1年のことがすごく込もってるというか、やっぱり最初の“sharp♯”からそうなんですけど、どの曲も聴いてくれてる人がいて、そこに届けたいからこそ曲が出来たんですね。もちろん葛藤もあったし悩んだ時期もあったけど、それはやっぱり音楽って楽しいっていうことを届けたかったからこそ悩んでたんだなって思うし、だからこそ出来た曲がたくさん入ってるので、これはもう4人だけのアルバムじゃないなということで『5』っていうタイトルを付けました」
――なるほど、わかりました。じゃあ、最後に一つ、楽しい話を。どこかのライヴのMCで、〈ねごと主催のフェスをやりたい〉ってことを言ってたと思うんですけれども。もしやるとしたら誰を呼びたいでしょう?
沙田「まずはクリブスだよね」
蒼山「うん、クリブス!」
――クリブスはカヴァーもやってますもんね。
蒼山「そうですね。あとティン・ティンズを。前に会ったときにお願いしたからね(笑)」
沙田「そうだなあ、あとは〈NANO-MUGEN FES.〉でアジカンさんにお呼ばれしたから、今度は呼び返したい(笑)。出てもらいたいし。あとはブラーが好きなので、ブラーさんですね」
蒼山「あと、私はウィーザーがすごい好きなんで。まぁ、〈NANO-MUGEN〉で一応対バンしたんですけど(笑)。またいっしょにライヴやりたいなって思っていますね」
――なるほど。いいフェスになりそう(笑)。
沙田「呼びたい人はたくさんいます(笑)!」
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