LONG REVIEW――NONA REEVES 『POP STATION』 & LIVE INFO
ポップ・ミュージックならではの不思議な魔法
昨年メジャー・デビュー15年を通過し、メンバーもすっかりアラフォー世代――にもかかわらず何なのだろう、この胸が高鳴り、心がウキウキと沸き立つような瑞々しい溌剌ポップスぶりは! もちろん、2011年、2012年と2年連続で発表したカヴァー・アルバム〈Choice〉において、バンドのルーツでもある70~90年代の名曲群に真正面から向き合い、モダンな手法で血肉化したその成果がフィードバックされていることもあるのだろう。だが前作『GO』以来、実に4年ぶりとなるこのオリジナル・アルバムには、それだけでは説明できない何か、言うなればポップ・ミュージックならではの不思議な魔法が息づいている。
まず、未来的に響くシンセとスクエアな打ち込みビートが今様ダンス・ポップな“P-O-P-T-R-A-I-N”に驚かされるが(何となく2PM“Take off”を彷彿とさせる?)、そこから得意の80sテイストが冴えるウキウキ・ウェイク・ミー・ポップ“Weee Like It!!!”、ドライヴ感溢れるハイパー・ポップンロール“Never Ever Let U Down”、電話の呼び出し音で始まる演出が心憎い殿下なアーバン・ファンク“ECSTASY”、いまなら〈ラグジュアリー歌謡〉と呼びたい一十三十一とのデュエット“GOLDEN CITY”と、とにかくさまざまなタイプの高純度ポップスが次々と飛び出してくる。
以降もスウェイ・ビート風の横揺れハッピー・チューン“Mr. Melody Maker”、奥田健介の快心のギタープレイにも痺れるドリーミー・ソング“マンドリン・ガール”、80年代ブラック・コンテンポラリーのクールネスをノーナ流に昇華した“WEEKEND (P-O-P-T-R-A-I-N Part II)”、清涼感に満ちたアコースティックなアレンジが西寺郷太の歌声の魅力と美メロ職人ぶりを際立たせる“三年”と続き、最後はスタイル・カウンシルばりのサニーサイド・ソウルが炸裂する“休もう、ONCE MORE”で締め。全10曲とコンパクトにまとめているのも、スッキリしていて無駄がない。まさに〈四十にして惑わず〉、不惑の年齢を迎えた(迎える)彼らのポップスに対する変わらぬ情熱と追求心、その迷いのなさが生んだマスターピースと言えそうだ。
EVENT & LIVE INFO
NONA REEVES presents WAW -We Are the World- 2013
3/31(日) 渋谷O-EAST
5/31(金) 恵比寿LIQUID ROOM
問) HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
NONA REEVES 2013 POP STATION TOUR
3/27(水) Billboard Live OSAKA 問)Billboard Live OSAKA 06-6342-7722
※ツアー初日3/27大阪公演のみ入場者全員特典としてPOP STATIONスペシャルアナログ盤プレゼント!
6/4(火) 名古屋CLUB QUATTRO 問)サンデーフォークプロモーション 052‐320‐9100
6/7(金) 福岡BEAT STATION 問)BEA 092-712-4221
7/7(日) Billboard Live TOKYO 問)Billboard Live TOKYO 03-3405-1133