INTERVIEW(2)――観ててハッとするような表情
観ててハッとするような表情
──撮影中、アプガの稼働は?
仙石「途中にライヴが1本あったんですけど、美保が抜けきらなかった(笑)。ちょっとダークな気持ちというか、笑ってるんですけど、心の底から笑ってないような(笑)」
白石「演じてみてどうでした? 恐ろしいことをやってしまう役柄を」
佐藤「優等生だけど裏では悪いことをしてる……でも、塾が大切だからこそやってしまう犯行なので、あまり悪に見えないようにするっていうのが大変で。やってることは悪なんですけど、表面から見える自分の態度とか、言葉遣いとか表情とかがいじめっ子に見えないようにっていうのが、どういうことだろうって」
(C)「讐 ~ADA~」製作委員会
白石「〈普通の悪い人〉に見えないようにっていうことは現場でよく言ったよね」
仙石「優等生には見えたよ」
白石「現実はどうなの?」
佐藤「全然……ですね(笑)。だから、ファンの人に私が優等生を演じてますって言ったら、全然想像つかないんだけどって(笑)」
白石「仙石さんはどうでした?」
(C)「讐 ~ADA~」製作委員会
仙石「本当の美保っていうのは友達もいなくって、静かでオドオドした女の子……それがあるきっかけで狂気的な子に変わってしまうんですけど、気の弱い美保と、気の弱い美保が演じている怖い美保、その演じ分けがすごく難しかったです」
──最後まで完全な悪人にはなってないですもんね。
白石「なってないですね」
仙石「心を傷めながら、でもやらなきゃいけないって思ってやってる復讐なんですよね」
白石「純粋だっていうことの表れですよね。ひとつのことに対して純粋に思いを遂げようとしている、やっていることはすごく酷いことなんだけども、純粋に友達を思う気持ちっていうところは信じてもいいんじゃないか、っていう気持ちを描いたところはありますからね」
──とはいえ、凶暴なところは徹底して凶暴ですよね。
仙石「教室に入っていくシーンとかも、監督さんにとにかく冷酷に冷酷にって言われて、自分のなかで感情を無にして、復讐するんだっていうことだけを考えてやってたので、あとから映像を観たら、目がすごく死んでて(笑)。こんな表情してたんだって」
(C)「讐 ~ADA~」製作委員会
白石「形だけでこういう表情を作ろうと思ってやってるんじゃなく、気持ちでやってるから、観ててハッとするような表情になったと思いますよ。ありがとうございます!」
仙石「ありがとうございます!」
白石「怖かったですよ」
──佐藤さんはご自身の演技を観てどうでした?
佐藤「私、普段はすごく人見知りで、恥ずかしがり屋の性格で緊張しいなので、めっちゃそれが映像に表れちゃってるなって思うところも結構あるんですよ。最初に撮ったシーンで友達とワイワイやってるところがあるんですけど、これ、絶対仲良くなんだろうなって(笑)。でも、後半に行くにつれて役に入り込んで行けたので、お母さんが痛めつけられるところでは結構感情を露わにできたかなって思います。とにかく全体的に緊張してたので、普段なにげなくやっていること、たとえば食事のシーンでもフォークの持ち方がヘンなんですよ(笑)」
白石「なんかね(笑)。まあ、あそこは普通の精神状態じゃないから、普通じゃなくてもいいと思う」
佐藤「でも、結構メンバーからも指摘されましたね。なんつう食べ方してるんだ!?って(笑)」
──カメラが回ってない時のお2人はどんな感じで?
佐藤「最初はどういうふうに顔を合わせたらいいのか悩みました、敵対してるので。全然しゃべらないほうがいいのかとか、普段から憎しみ合ってるような感情を持っていてもいいのかなと思ったんですけど、みーこが普段のキャラでいてくれたので、そこは安心して。でもやっぱ、いざ本読みを始めたりすると、目が違うんです、みーこは。そういう時は近くにいないようにしてました(笑)」
仙石「夕子と思って見ると一気に憎しみの相手に見えてくるんですよ。なので、普段はそのままでいいかなって」
佐藤「最終的には私も復讐に走るので、夕子になるときは、みーこの普段の嫌なところとか思い出して」
白石「どんなとこどんなとこ?」
佐藤「結構遅刻魔で、イラッとさせるときがあるんですよ(笑)。そういうのをちょいちょい思い出して」
全員「(爆笑)」