インタビュー

仕立ての良いジャケットを羽織り、高級酒片手にキザなステップを踏むためのロック・ガイド――(1)



DURAN DURAN 『Notorious』 Capitol(1986)

“The Reflex”で彼らに全米1位をもたらしたナイル・ロジャースのプロデュースで、ブラック・フィーリングをより露わにしたアルバムだ。ニューロマの貴公子もこの頃になるとすっかりダンディーな魅力が備わって。ちなみにフランツもお気に入りに挙げる一枚。*久保田

 

MAROON5 『Overexposed』 Octane/A&M(2012)

ポップな美メロに往年のソウル/ディスコ風のダンサブルな要素を加え、現代的なプロダクションで調理。音は最新なのにメロディーは普遍的で、懐かしい雰囲気もあって、さらにちょいエロくて……というアダルトな踊るロックの魅力を完全に備えた一枚である。*北爪

 

DAVID BOWIE 『Black Tie White Noise』 Arista(1993)

『Let's Dance』以来10年ぶりのプロデュースとなるナイル・ロジャース、『Pin Ups』以来20年ぶりの共演となる盟友のミック・ロンソンを迎えた本作で、艶やかさを取り戻したボウイ。40代半ばを過ぎても、居場所はバーカンじゃなくフロアの真ん中……ってイカすね。*久保田

 

GREAT3 『WITHOUT ONION』 ユニバーサル(1998)

ディスコやラテン、映画音楽などをハイブリッドに消化した知的なサウンドながら、大人になりきれない自分を呪うような絶望と諦念まみれの歌詞。借り物のスーツを着て踊っているみたいな居心地の悪さと、強引なまでの開き直りがアンビヴァレンツに炸裂した名作。*北爪

 

ROBERT PALMER 『Riptide』 Island(1985)

ライヴも常にスーツでキメていた本物のセクシー・ガイ。本作収録曲“Addicted To Love”のPVでも、マネキンめいた美女たちをはべらせてネクタイ姿で熱唱。ソウルにニューウェイヴを加味したようなサウンドも、すこぶる軽薄&ファンキーだ。*北爪

 

椿屋四重奏 『TOKYO CITY RHAPSODY』 ワーナー(2008)

THE YELLOW MONKEYや安全地帯など〈格好良いオトナたち〉を手本にしてきた彼ら。ソウルフルとはひと味違ったフィーリングでヨコノリのロックを奏で、2000年代前半から台頭してきたギター・ロック勢のなかでも異色の、艶やかな魅力を放っていました。*久保田

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年08月21日 18:00

更新: 2013年08月21日 18:00

ソース: bounce 358号(2013年8月25日発行)

文/北爪啓之、久保田泰平