インタビュー

カーペンターズ、そして時を越えて手渡されていった、素晴らしき〈歌〉のバトンの行方



CARPENTERS 『Collected』 A&M

“We've Only Just Begun”“Superstar”“Please Mr. Postman”など、過去の楽曲に新しい生命を吹き込んで再生させたヒットソングも多いカーペンターズ。それはやはりカレンの歌声、そもそも原曲が良いから……と物言わせない説得力のある〈歌力〉にあるわけで。

 

LARRY CARLTON 『Discovery』 MCA(1987)

注目は、本作にも参加されているこの方の奥様、ミシェル・ピラー。コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックのシンガーとして70年代から活躍されている方で、人気アニメ「シンプソンズ」ではカレン役として生き写しのような歌声を披露していたり。

 

今井美樹 『フィエスタ』 フォーライフ(1988)

洋楽のスタンダードをカヴァーしたこのアルバムで、“Close To You”“Superstar”を披露。本家と比べてしまえば声質、声域の豊かさは異なるものの、カレンが持っていたハートウォーミングなフィーリングと、ただならぬシンガーになりそうな予感はしっかと。

 

小林明子 『Single Collection〜恋におちて〜』 ソニー

“恋におちて”のヒットがあまりにも有名ですが、当初から〈カレンを彷彿とさせる〉との声が上がっていた彼女。本ベスト盤収録の“Rainbow Rainbow”“How Could I Ask For More?”を含む88年作『City of Angels』はリチャード・カーペンターのプロデュースでした。

 

RUMER 『Boys Don't Cry』 Atlantic(2012)

UKでファースト・アルバムがプラチナ・ディスクに輝いたパキスタン出身のシンガー・ソングライター。31歳で遅咲きのメジャー・デビュー、ということ以上に注目されたのは、カレンの影を見る無垢な歌声。カーペンターズとの縁も深いバート・バカラックも絶賛。

 

畠山美由紀 『rain falls』 ランブリング(2013)

低音域の響き、伸びやかなハイトーン──彼女のそれもきっとカレン譲りだ。タイトルから窺える通り、〈雨〉をテーマに編まれた最新作では、カーペンターズの“Rainy Days and Mondays”をカヴァー。そういえば、彼女もかつては男女2人組で活動していました。

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掲載: 2013年09月04日 17:59

更新: 2013年09月04日 17:59

ソース: bounce 358号(2013年8月25日発行)

文/久保田泰平

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