INTERVIEW(3)――ケーキを爆破してほしい(笑)
ケーキを爆破してほしい(笑)
KAN「でも〈OSAKA~!〉って練習していた姿がホント良かった」
根本「あれが僕らを感動させたんですよ。千本ノックを受けている高校球児のようで。あのときの馬場くんは頭に描いた〈OSAKA~!〉をキャッチするのに、何度も首をひねりながら特訓していて」
馬場「あれは〈シャドウ・シャウト〉っていうんですかね(笑)」
KAN「ただ、やりはじめた頃は狭いスタジオのマイクに向かって叫んでいただけだったんで、〈馬場くん、それは違う〉と。〈屋根のない6000人のスタジアムで叫ばないと〉と伝えましたね」
――それまた特殊なディレクションですね。
馬場「正直わかんないですよ。〈ハイ〉とだけ答えましたけど(笑)」
――そうか、あれは血と汗と涙の結晶のシャウトなんですね。でも、こんなエピソードは他で聞いたことないです。
根本「ホントそうだよね。だいたいコラボってミュージシャン同士の音楽的な感性をぶつけ合う行為ですけど、それは二の次で良かった。デモテープの段階ですでにKANちゃんが僕らの乗り方を指定してくれていたから、解釈することにおいてギクシャクすることなくすんなりとそのパートに座ることができた。それがすごく心地良くもあったんだけど」
――この1曲にさまざまな要素が入っていて、それを読み解くのが楽しいですね。僕的にはポール・マッカートニーへのオマージュを強く感じていて。“Venus And Mars”から“Rock Show”のメドレーに“Take It Away”のエッセンスを混ぜたような、ファンならニンマリしてしまう曲になっているところが嬉しいです。ところで、9月24日にリリース・イヴェントとして〈ときめき☆ハミングロック学園〉が横浜BLITZで行われる(CD購入者のなかから抽選で800名を招待)ということで、最後にライヴへの意気込みを聞かせてください。
根本「この3組は何度もライヴをやってきているんで、1回のライヴに収まりきらないぐらいのアイデアはいっぱいあります」
馬場「観てくださった方が満足してもらえるものにしようと、いまKANさんが構成を一生懸命考えているので、胸をときめかせながら待っているところです」
――ちなみにこのイヴェント名のネーミングは……。
根本「これは馬場くんが考えたの」
――えっ、馬場さんだったんですか!?
馬場「そもそもこういうのを考えるのは、KANさんのお仕事なんです(笑)。でも曲も作られたし、レコーディングの準備もやってもらったし、ここはいちばん後輩としては何かやらないといけないと思って……」
KAN「20個ぐらい案を出してたよね」
根本「僕は個人的に〈ハミンガーがやってくる ン~ン~ン~〉ってのが良かった(笑)。これはやるなあと思ったね。どこに力を入れていいのかまったくわからないタイトルでイチオシだったけど」
KAN「実はね、その日って僕の誕生日なんですよ」
根本「あ、そうなの?」
KAN「お願いしたいのは、後半でバースデー・ケーキが出てきて、会場のみんなで〈ハッピー・バースデー・トゥ・ユー〉を歌うのだけは絶対にやめてほしいんです。もしやるんだったら、ケーキを爆破してほしい(一同爆笑)」
根本「なんだ、言わなきゃわかんなかったのに(笑)。わかった、じゃあその日は静かに過ごそう。何事もなかったかのように」
KAN「その日って飲み会やるんですかね?」
根本「それもなしにしよう(笑)」
KAN「それは寂しいなぁ……(笑)。でもライヴはおもしろいです、きっと」
根本「盛り上がりますよ!」