猛重轟音舞踊楽2013――うるさくて激しくて楽しすぎるあれこれ!!
A-TRAK 『Tuna Melt EP』 Fool's Gold(2013)
ハイブリッド界(?)のA級ライセンスを持つ凄腕が、前年のEPと今年のリミキシーズをまとめてCD化したのがこちら。みずからチューンナップしたトラップの“Landline 2.0”を筆頭に、ピュアなパーティー愛好家らしい娯楽の爆音が満載。トミー・トラッシュともQバートとも違和感なく燃えられる人もそうそういない!?
JACK BEATS 『Careless』 OWSLA/KSR(2013)
A・トラックやメジャー・レイザー、フラックス・パヴィリオンのリミックスも手掛け、その引き出しの多さと奥深さが多方面から重宝されているバトル出身DJのコンビ。広い意味での新旧ブレイクス〜エレクトロを背骨にするだけあって、ここでも新旧レイヴや新旧ゲットー・ベースを繋ぐようなミクソロジストぶりが圧巻だ!
RUDIMENTAL 『Home』 Asylum UK(2013)
前年のジョン・ニューマンをフィーチャーしたリキッド・ファンク“Feel The Love”、今年に入っての“Waiting All Night”が共に全英1位を獲得し、DJフレッシュとは別方向からドラムンベースの完全復権を証明した彼ら。これまたNo.1に輝いたこの初作では、ハウスやブレイクスも多数のゲストとソウルフルに響かせている。
ALIX PEREZ 『Chroma Chords』 Shogun Audio(2013)
方向性を模索していた頃のFBを“The Cut Deepens”に迎えてハイブリッド化を後押ししたベルギー出身の彼は、その後も相互の作品で絡んできたドラムンベース界の若き暴れん坊ショーグン。この最新作ではUKGやエレクトロもノイジアばりに吸収、FB参加の不穏なトラップ・ホップ“Move Aside”とかカッコ良すぎ!
FLUX PAVILION 『Blow The Roof』 Circus/Big Beat/Atlantic/ワーナー(2013)
先だってはメジャー・レイザーともリンクしたUKのダブステッパー。本作で聴けるスウェイやP・マネー、チャイルディッシュ・ガンビーノらキレのあるMC陣との好相性ぶりは、かつてFBを“Lines In Wax”(2010年)に迎えた際にも発揮されていた。さらなるメインストリーム侵攻に期待!
BLACK SUN EMPIRE 『From The Shadows』 Black Sun Empire(2012)
ノイジアと同じオランダのドラムンベース・ユニット。ダーク&サイバーなドラムンで突貫する一方、ご多分に漏れず直情的なダブステップも充実しまくりで楽しい。この最新作はノイジア先輩と共作した“Feed The Machine”で幕を開け、“Dawn Of A Dark Day”にはFBを迎えるというニアミス状態を演出!
DEVILMAN 『Devilman』 Small But Hard/MURDER CHANNEL(2012)
今年に入ってMURDER CHANNELから日本盤が出ていた劇物! DJ Scotch Eggとして知られるシゲル・イシハラとGORGONN(Dokkebi Q)、Taigen(BO NINGEN)がノイジーなインダストリアル・ダブステップを容赦なく叩きつける、エクストリーム極まりない好盤というか鋼盤だ。
PORTER ROBINSON 『Porter Robinson EP -Japan Limited Edition-』 KSR(2013)
今年は〈フジロック〉登場も果たした童顔の豪腕。OWSLAの第1弾作品でもあった“Spitfire”をはじめ、複数のレーベルから出ていた音源をまとめたこのタワレコ限定EPは、EDM上昇の記録のようでもある。ゼッドのアレを共作する才も含めて、そろそろ本人のフル・アルバムにも期待したいところ!
EXCISION 『X Rated Remixes』 Mau5trap(2012)
マウストラップでのレーベルメイトになる前から、FB+ノイジアの“No Holds Barred”をリミックスしていたカナダのエクシジョン。このリミックス盤は激烈な本人の趣味を多様な連中が再解釈したもので、なかでも注目すべきパリのダーティフォニックスは、FBとの新曲“No Stopping Us”を投下したばかり!
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2013年09月25日 17:59
更新: 2013年09月25日 17:59
ソース: bounce 359号(2013年9月25日発行)
文・ディスクガイド/出嶌孝次