ARIANA GRANDE 『ユアーズ・トゥルーリー』
海外メディアで<ネクスト・マライア>と絶賛されているアリアナ・グランデ。デビュー・アルバムが全米ビルボード初登場1位獲得するなど、女優としても歌手としても成功を収める彼女がいよいよ日本上陸! 今一番輝いている美しきポップ・シンガー<アリアナ>の魅力に迫った。
音楽はずっと私の人生で最も大切なものだった。どれだけ嬉しいかは言葉にできないほどよ
天は二物を与えずと言われるが、彼女のような才能と個性、スタイル、ルックス、バイタリティなど全てを兼ね備えたアーティストを前にしては、その言葉も説得力を失ってしまう。<ネクスト・マライア>と呼ばれるアリアナ・グランデ。次なるマライア・キャリーと目されるのには、絶対的な歌唱力があるのは勿論のこと、ルックスやスタイルを含めて、誰もがマライア級のスター性を彼女の中に見出しているからだ。久々に登場した大物感をムンムンと漂わせる彼女。お正月明けに行なわれた初来日ミニライブでも、そのチャーミングな立ち振る舞いやスターのオーラで皆を圧倒した。しかも、生歌が想像以上の迫力だ。デビュー作『ユアーズ・トゥルーリー』を発売と同時に全米No.1に送り込んだ彼女だが、世界の音楽マーケットの中枢であるアメリカで首位に立つとはこういう実力あってのことかと非常に納得させられた。
「本当に最高の気分よ。一生懸命作ったアルバムだから、認めてもらえて物凄く感激しているの。幼い頃からの私の夢が遂に実現したっていう感じ。もちろん凄く忙しくなって大変ではあるけれど、ずっと待ち望んでいたことだから文句は言えないわ。音楽はずっと私の人生で最も大切なものだった。どれだけ嬉しいかは言葉にできないほどよ。今でもまだ凄くドキドキしているの」
物心付いた頃には、もう歌っていたという彼女。シンガーになるのは定めだと、子供の頃から思っていたそうだ。8歳で北米プロアイスホッケーリーグの開会式で国歌斉唱。全米にテレビ中継された堂々の歌いっぷりは、今でもネットで確認できる。15歳でNYブロードウェイ・ミュージカル「13」に出演。大きくブレイクしたのはニコロデオンのTVシリーズ「ビクトリアス」で、ちょっぴり変わった女の子、キャット役を演じたのがきっかけだ。
正直言うと演技するのは好きじゃなかったの。ずっと情熱を持っていたのは音楽だったから、LAに移ってマネージメントと契約した際にも<レコード契約が欲しいの。私は音楽をやりたいの>って言ったわ。でも<君はまだ14歳だからアーティストとして真剣に受け止めてはもらえない。まずはテレビのオーディションを受けて、ファンとの絆を築く土台を作ろう>って言われたの」
しかし、やっているうちに女優業も気に入ったという彼女。だが、歌への情熱を捨ててしまったわけではなく、実際女優として人気に火が付いてからも、並行してずっとデビュー・アルバムの制作に取り組んでいた。しかも3年も掛かったそうだ。
「私自身が人間、アーティスト、ミュージシャンとして成長、進化していったからじゃないかしら。長く掛かった一番の理由はそれね。完璧なものにしたかったの。最初から最後まで全てを誇りに思える作品を作りたかった。人間として自分が何者なのか見極めようとする時期でもあったし、相応しいグルーヴ、本物だと感じられるサウンド、本当の自分というのを模索していたからだと思うの」
こうして完成したのがデビュー作『ユアーズ・トゥルーリー』。「アメリカン・アイドル」出身者の例を挙げるまでもなく、歌えるスターは数多くいる昨今だが、彼女のように独自のサウンドを掲げてデビューした例は珍しい。90年代のR&Bサウンドを現代に蘇らせ、しかもそのサウンドの権化であるベイビーフェイスまで参加。彼の弟子ザ・ラスカルズの2人とハーモニー・サミュエル(クリス・ブラウン、Ne-Yo)の小編成チームによって制作された統一感のある作品だ。ザ・ウォンテッドのネイサン・サイクスやミーカ、ビッグ・ショーン、更に全米でトップ10入りしたヒット曲“ザ・ウェイ”にはマック・ミラーも参加。だが、最も強烈なインパクトを放っているのは彼女の歌に他ならない。アレサ・フランクリンやエタ・ジェイムスの影響を受けた彼女だけあって、そういったセピア色の懐かしいソウルから、ディーヴァと仰ぐホイットニー・ヒューストンやマライア・キャリーらを彷佛とさせる歌い上げ系R&Bまで、どこを取っても伸びやかで、自由自在な歌唱を聴かせてくれる。とにかく溢れ出す生命力が眩いばかりだ。こうなると<本家マライア>がどう出るのかも気になるところ。2月に再来日も決まったアリアナ。是非とも自分の耳で確かめてみてほしい。
■Album……『ユアーズ・トゥルーリー』 now on sale!!
■Songlist
01.ハネムーン・アヴェニュー
02.ベイビー・アイ
03.ライト・ゼア feat. ビッグ・ショーン
04.タトゥード・ハート
05.ラヴィン・イット
06.ピアノ
07.デイドリーミン
08.ザ・ウェイ feat. マック・ミラー
09.ユール・ネヴァー・ノウ
10.オールモスト・イズ・ネヴァー・イナフ with ネイサン・サイクス from ザ・ウォンテッド
11.ポピュラー・ソング with MIKA
12.ベター・レフト・アンセッド
13.ザ・ウェイ feat. マック・ミラー (JdB リミックス) *
14.ベイビー・アイ (コズミック・ドーン・リミックス)*
15.ライト・ゼア feat. ビッグ・ショーン(セヴンス・ヘヴン・リミックス)*
*日本盤ボーナストラック
【DVD】※デラックス・エディションのみ収録
・「ザ・ウェイ feat. マック・ミラー」ミュージック・ビデオ
・「ベイビー・アイ」ミュージック・ビデオ
・オフィシャル・インタビュー(約6分/日本語字幕付)
■Profile…ARIANA GRANDE(アリアナ・グランデ)
1993年生まれ。人気青春ミュージカル・ドラマ「ビクトリアス」のキャット役で大人気のアリアナ・グランデ。一方<ネクスト・マライア>と絶賛される歌唱力を持ち、2011年ユニバーサル・リパブリックと契約後リリースしたデビュー・アルバム『ユアーズ・トゥルーリー』が見事全米ビルボード初登場1位獲得!
記事内容:tower+ 2014/2/10号より掲載