ブッカーT&ザ・MG'sのベーシスト、ドナルド・ダック・ダンが東京にて急逝
ブッカーT&ザ・MG'sのメンバーとして知られるベーシストのドナルド・ダック・ダンが5月13日、滞在先である東京のホテルにて亡くなった。享年70歳。彼はスティーヴ・クロッパー、エディ・フロイドと共に日本でツアーを行うため来日し、亡くなる前日にはBLUE NOTE TOKYOで2ステージを終えたところだった。
メンフィス・ソウルの名門レーベルであるスタックス所属のインスト・バンド、マーキーズでベースを弾いていたドナルド・ダック・ダンは、64年にMG'sからオリジナル・ベーシストのルイ・スタインバーグが脱退したことを受けて同バンドに加入。ブッカーT・ジョーンズ(オルガン)、スティーブ・クロッパー(ギター)、アル・ジャクソンJr(ドラムス)という名手たちと共に、スタックスのハウス・バンドとしてオーティス・レディングやサム&デイヴらの楽曲のバックを務めると同時に、MG's単体としても数々のヒットを飛ばす。70年代にバンドが一旦解散した後はエリック・クラプトンやマディ・ウォーターズといった大物アーティストのレコーディングに参加。80年には映画「ブルース・ブラザーズ」に本人役で出演し、ブルース・ブラザーズ・バンドのメンバーとして演奏を担当した。なお、MG'sは92年に〈ロックの殿堂〉入りを果たし、2007年にはグラミーの特別功労賞を受賞している。謹んで故人のご冥福をお祈りいたします。
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