USロック界の巨人、ルー・リードが71歳で死去
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやソロでの活動を通じてロック・シーンに多大な影響を与えたUSのミュージシャン、ルー・リードが10月27日に亡くなったことが、海外の各メディアによって報じられた。享年71歳。死因についてはまだ公式に発表されていないが、彼は今年5月に肝臓移植の手術を受けており、妻のローリー・アンダーソンはその際に彼が瀕死の状態にまで陥ったことを説明していた。
42年にNYのブルックリンに生まれたルー・リードは、65年にジョン・ケイルらと共にヴェルヴェット・アンダーグラウンドを結成。70年の脱退までに4枚のアルバムを発表し、いずれも当時は商業的に成功しなかったものの、後にロック史に残る名盤として評価された。72年にはイエスのメンバーらが参加したアルバム『Lou Reed(邦題:ロックの幻想)』でソロ・デビューし、同年にデヴィッド・ボウイとミック・ロンソンを迎えてグラム・ロックに接近した2作目『Transformer』がヒットを記録。続く73年作『Berlin』ではコンセプチュアルなロック・オペラ、75年作『Metal Machine Music』ではノイズ・ミュージックに挑戦するなど、作品ごとにスタイルを変えながら芸術性に満ちた楽曲で音楽性を広げていき、詩人としても評価されるなど、晩年までその創作意欲が衰えることはなかった。2011年に発表したメタリカとのコラボ・アルバム『Lulu』が彼の生前最後の作品となる。謹んで故人のご冥福をお祈りいたします。