V6、「勤続25年の男たち」25周年デビュー日に記念配信ライヴ開催。レポートが到着
V6が、11月1日に東京 代々木第一体育館にて「V6 For the 25th anniversary」と題した配信ライヴを行った。1995年11月1日、代々木第一体育館にてデビューを飾ったV6。その後も10周年、20周年と区切りのタイミングでライヴを開催してきたこの日、この場所で、コロナ禍に揺れる2020年も25周年の記念日をファンと一緒に祝いたいとの思いから、配信ライヴの開催にこぎつけた。
V6の「6」、25周年の「25」にちなんで、午後6時25分からスタートするなど、細かなこだわりが随所に光ったライヴ配信。実は今回、V6メンバーがライヴ演出もセットリストも意見を出し合って作り上げたという。
オープニングではデビュー当時のライヴ直前の会場外の映像が流れる。原宿駅方面から歩道橋、そして会場の中へとカメラが進むと、セットが何も組まれていないアリーナで6人が“Right Now”を歌う。彼らにとっての「始まりの場所」を感じさせる演出だ。そしてステージが作られていく様子が早送りで映し出されると、生で歌う彼らのライヴ映像へとスイッチする。
また、本来であれば観客で埋まるはずのアリーナ床面にLEDを敷き詰めて楽曲の持つ世界観を表現し、雰囲気の異なるステージを設置するなど空間を最大限に利用。花火などの特殊効果ももちろんド派手に行い、文字が浮かび上がるAR演出なども。創意工夫が感じられるリアルタイムのライヴ映像と、事前収録された渾身の映像とが調和した演出で、V6らしいひとつの作品としてのライヴ配信を実現した。
MCでは、25年前のデビュー直前の風景を思い返す6人。井ノ原快彦は坂本昌行の「楽しもうね」という言葉がずっと心に残っていたと話す。すると、岡田准一も続けて「お客さんがいなくても頑張っていこうね」と緊張で震えながら言っていたと、大げさにブルブル手を震わせながら真似してみせ、笑いを誘った。
どれだけお客さんが来てくれるのかもわからなかった25年前。だが、実際には原宿駅までびっしりとお客さんで埋まっていた光景を、今でも忘れられないという一同。森田剛は「あのことがあったからやってこられた、またあの景色が見たいと思って頑張れた」と25年間続けてこられたのはファンとの思い出に尽きると語った。
また、今回のライヴ配信に合わせて制作されたうちわとアクリル・スタンドを取り出す一幕も。井ノ原が長野博のアクリル・スタンドをタンブラーの中へ入れて、「いいダシが出る」と大笑い。三宅健は「そんな使い方する人いないよ」とツッコむも、当の長野は「でもキレイ!」と嬉しそう。坂本、森田がしょうがないなと微笑んでいると、最後は末っ子の岡田が「回収しま~す」と、変わらないV6の関係性を感じさせる風景が広がった。
アニバーサリー・ライヴといえば、デビュー曲や往年の名曲たちを披露するベスト盤のようなセットリストが王道だが、V6は「いまのV6を見せたい」と、9月23日リリースの最新シングル『It's my life / PINEAPPLE』収録曲を含む近年発売した楽曲を中心に選曲した。
“KEEP GOING”(2018年)、“Super Powers”(2019年)と疾走感あふれる楽曲から、全編英語歌詞の“All For You”、水面上で6人がコンテンポラリー・ダンスを披露する“TL(Instrumental)”など、熟練した伸びやかな歌声で聴かせ、変わらぬ身体能力を見せつける。
ふと、“星が降る夜でも”、“ある日願いが叶ったんだ”、“WALK”など、流れ星をモチーフにした楽曲がいくつもあることに気がつく。無観客会場に設置されたライトがまるで星空のように輝く演出と相まって、ファンと離れていても同じ風景を見てつながっていること、いつかまた会える日を願う気持ちがセットリストとなって現れているのかもしれない。
これまで、代々木第一体育館では101公演を経験しているV6。「今回を102回目ではなく、新しい1回目にしたい」との井ノ原の言葉が象徴するように、彼らにとって新しいチャレンジとなった今回のライヴ配信。新しい生活様式の中で模索の日々が続くが、25年という節目を迎えてもなお「いま」を楽しみ、「攻め」の姿勢を忘れないV6が、先の見えない社会をこれからも明るく照らし続けてくれる。そんな希望を感じさせる記念日となった。
▼リリース情報
V6
ダブルAサイド・シングル
『It's my life / PINEAPPLE』
NOW ON SALE
▼書誌情報
「ESSE 2020年11月号」
発売中
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース | タグ : J-POP
掲載: 2020年11月04日 11:24