サザンオールスターズ、3度目10年ぶり「故郷」でデビュー45周年迎えての野外ライヴ「茅ヶ崎ライブ2023」開催。「次なる計画を練り、またお会いする日を約束します!!」
デビュー45周年を迎えたサザンオールスターズが、10年ぶり3度目となる「茅ヶ崎ライブ」を9月27日、28日、30日、10月1日の4日間、茅ヶ崎公園野球場にて開催。ライヴ・レポートが到着した。
時刻は17時。開演時刻の茅ヶ崎の空は、夕焼けに染まり始める頃。酷暑も過ぎ去り、涼しげな海風が会場を包み込むなか、茅ヶ崎の大スター 加山雄三の楽曲が鳴り始めるとステージにサポート・ミュージシャンの面々が登場。続けて、桑田佳祐(Vo/Gt)を先頭に、それぞれの肩に手を置きサザンオールスターズの5人が縦一列になって軽快にステージに現れると、客席から大きな拍手と歓声が湧き上がる。会場の熱気が、茅ヶ崎を一気に「アツいサザンの夏」に引き戻すと、1曲目“C調言葉に御用心”がスタート! ステージ上空からは始まりの祝砲として花火が打ち上がる。ファンの中で不動の人気を誇るこの曲で始めたのは、サザンビーチにある茅ヶ崎の象徴「サザンC」から着想を得た選曲と言えるだろう。最初のMCコーナーでは「どうも、ありがとう! 目立ちたがり屋の芸人、サザンオールスターズでございます!」とデビュー当時、テレビ出演の際に桑田が発した名台詞を、45年越しに繰り出した。「里帰りでございます。すっかり高齢者になりました(笑)」と時の流れをしみじみと噛み締めるひと幕も。
序盤から出し惜しみなく次から次へと演奏される名曲の数々。夜と夕暮れが同居する美しい夜空のトワイライト・タイムには大人気曲“涙のキッス”を披露。自然が作り出すこの瞬間だけの演出が楽曲の情感を引き立てる。“夏をあきらめて”、“栄光の男”、“そんなヒロシに騙されて”、“いとしのエリー”など、時代を縦横無尽に旅するセットリストに、観客の興奮は高まるばかり。
音楽の旅は2023年にカムバック。メンバー紹介のコーナーでは、ベーシストの関口和之が「故郷 茅ヶ崎におかえりなさい! 桑田佳祐」と声高らかに紹介し、花束を贈呈。大喝采で桑田の帰郷を会場全体で祝うと、次は桑田が茅ヶ崎への「愛/Amore」と「感謝」を歌うターン! 今年8月にリリースしたこのライヴのテーマ・ソング“歌えニッポンの空”を披露。観客全員に配布されたリストバンド型ライト、通称「烏帽子(えぼし)ライト」が音楽に合わせて会場を照らし、サビではバンド/観客全員が「ありがっとう!」と声を合わせる。それに「こちらこそだよ!」と応える桑田の笑顔が印象的だ。ライヴの折り返し地点となったこの曲では、歌詞の一部を替えて「♪ここは茅ヶ崎 歌え日本の空」と歌うなど、溢れんばかりの愛と感謝をファンに、そして生まれ育った街に伝えていた。
ここからは怒濤である。白いレーザーが会場の至るところから観客席中央の上空めがけて照射されると、1点に光が交差し、眩い光が会場を包み込む。未来への希望を表すような光の球体が夜空に浮かび上がると、観客の「烏帽子(えぼし)ライト」も光り、“東京VICTORY”へ。サザンオールスターズ、サポート・ミュージシャン、オーディエンスの全員が空に拳を突き上げる様は壮観。大きなシンガロングを巻き起こし、会場を一体にしていく。立て続けに“栞(しおり)のテーマ”、“太陽は罪な奴”、“真夏の果実”、“LOVE AFFAIR~秘密のデート~”と、往年のヒット曲のオンパレード! 45年の歴史の重みと、老若男女問わず、観客が全曲口ずさむことができるという類稀なる現象を目の当たりにすることになる。
サザンのライヴのお楽しみと言えば、汗あり、涙あり、そしてエロありの煽りコーナー! ライヴでは盛り上がり必至の大人気ナンバー“ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY)”で会場を熱狂の渦に巻き込むと、45周年イヤー第1弾の新曲として発表し、「これぞサザン!」と言わしめた歌謡エキゾチック・アンセム“盆ギリ恋歌”を投下。総勢20名のダンサーと共に会場全体を摩訶不思議な世界観に染め上げる。そして、サザン野外ライヴのお約束「ホースで放水」しながらの“みんなのうた”に突入! 会場のボルテージが最高潮に至ったところで、桑田が「まだまだ行けるか茅ヶ崎!!」とさらに煽りまくる。観客の興奮が爆発する瞬間までをカウントダウンするかのように重厚なギター・リフが会場に轟き、ヅラ(通称 マンヅラ)を被った桑田佳祐がシャウトする。“マンピーのG★SPOT”、これがなくてはサザンのライヴは終われない! ピンクのワンピースに身を包んだセクシーなダンサーと共にロックな空間を作り上げると、最後には桑田が公然のセクハラ(!?)でダンサーに告発されるというコント的なオチで笑いをかっさらい本編は終了。
アンコールを呼ぶ大きな拍手と歓声に導かれ、再びステージにサザンオールスターズが現れると“ロックンロール・スーパーマン~Rock'n Roll Superman~”、“Ya Ya(あの時代 (とき)を忘れない)”を続けて披露。10年前の茅ヶ崎ライヴでは1曲目に披露された曲が“Ya Ya(あの時代 (とき)を忘れない)”だったが、スクリーンに映し出されるデビュー当初のサザンの姿と、今現在の5人が重なり、感動を誘う。そして桑田が「また楽しい逢瀬が叶いますよう、サザンオールスターズ、次なる計画を練って、みなさんにご報告することをお約束致します!」と宣言すると、会場全体から歓喜の声が上がり、そのまま“希望の轍”へ。JR茅ヶ崎駅の発車メロディとしても親しまれているこの曲に続いて、「♪砂まじりの茅ヶ崎」という歌い出しから始まるデビュー曲“勝手にシンドバッド”へなだれ込む。ド派手なサンバ・ダンサーがステージ上にところ狭しと登場すると会場はお祭り会場に変貌を遂げる。間奏のコール&レスポンスで、ステージに上がる11人と観客18,000人が「フレ! フレ! 茅ヶ崎!」と声を揃える様は、この茅ヶ崎ライヴにしか起こり得ない特別なひとときだった。
アンコールも含む合計26曲を披露。2時間半にわたるライヴは祝祭的な空気に包まれながら大団円を迎えた。ステージに全出演者がラインナップし観客に感謝を伝え、その場をあとにすると、スクリーンにはこのライヴに向けて準備をしてきたサザンオールスターズのドキュメント映像と共にエンド・クレジットが流れる。映像と共に「茅ヶ崎ライブ2023」の幕を閉じたのは最新曲“Relay~杜の詩”。大切な場所への思いを歌ったこの曲は「♪ここが好きだよ」という言葉で締めくくられるが、このライヴでは、故郷 茅ヶ崎への、ライヴ会場への、ファンのみんなへの愛のメッセージとして鳴り響き、優しく会場を包み込んだ。最後には、ライヴ会場のファンはもちろん、開催にあたり協力してくれた茅ヶ崎に向けて感謝の花火を打ち上げ、ライヴは幕を閉じた。
最新形を世の中に提示し続けつつ、45年で積み重ねてきたものへの感謝を忘れずに言葉にし続けるサザンオールスターズの音楽人としての人柄が詰まった、愛に溢れる凱旋ライヴだった。
▼番組情報
フジテレビ「週刊ナイナイミュージック」
10月11日(水)23:00~23:40
MC:ナインティナイン
ゲスト:ファーストサマーウイカ / 玉井詩織(ももいろクローバーZ)
※「茅ヶ崎ライブ2023」を大特集
番組公式ホームページ:https://www.fujitv.co.jp/weekly_99music/
「FM FESTIVAL 2023」
11月3日(金・祝)16:00~19:00
特設サイト:https://www.tfm.co.jp/fmfes2023/
▼イベント情報
「茅ヶ崎サザン芸術花火2023」
10月21日(土)神奈川 サザンビーチちがさき
※雨天決行/荒天中止
特設サイト:https://southern-hanabi.com/2023
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース
掲載: 2023年10月02日 19:35