櫻坂46、全国ツアー「4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?-」完遂。約2年ぶり2度目の東京ドーム公演で11万人動員。進化が止まらないグループのツアー集大成
Photo by 上山陽介
櫻坂46「4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?- IN 東京ドーム」最終公演が6月16日、東京ドームにて行われた。3月2日のマリンメッセ福岡A館を皮切りに、3月27日のぴあアリーナMMまで、全国4会場で8公演を実施した全国アリーナ・ツアーの追加公演として、グループにとって約2年ぶり2度目の東京ドーム公演となった今回は15日&16日にわたり開催。国内のみならず海外からのBuddies(※櫻坂46ファン)も多数駆けつけ、2日間合わせて11万人を動員。16日公演はインターネット生配信も実施された。
櫻坂46のグループ・カラー 白が点灯したペンライトで会場が染め上げられるなか、“Overture”が爆音で流れ始めると客席から地鳴りのような声援が鳴り響く。続いて、スクリーンに逆回転する時計が映し出され、「Go on back?」のメッセージが表示。客席が赤一色で染まると、アリーナ中央のミニ・ステージに山﨑天が姿を現し、華麗なソロ・ダンスを披露する。彼女がパフォーマンスするミニ・ステージがそのまませり上がり、観客の頭上を移動。メイン・ステージに到着した山﨑はそのままステージ高台へと移動すると手にしたコインを宙に投げ、後方のスクリーンが左右に開きメンバーが登場し、山﨑が「東京ドーム、行くぞーっ!」と叫ぶと同時に“何歳の頃に戻りたいのか?”からライヴをスタートさせた。
3月のツアー本編での勢いそのままに、彼女たちはエネルギッシュなパフォーマンスでツアーの集大成を提示。その勢いは、続くグルーヴィな“泣かせて Hold me tight!”や“恋が絶滅する日”でもまったく衰えることなく、一糸乱れぬダンスと力強い歌声でオーディエンスを魅了する。メイン・ステージとアリーナ中央で左右に延びた花道の二手に分かれた森田ひかると山﨑のダンス・バトルをフィーチャーした“摩擦係数”では、先日活動再開をアナウンスしたばかりの小池美波が曲中盤からパフォーマンスに加わり、ブランクをまったく感じさせないしなやかなダンスで観る者を惹きつけた。
最初のMCでは、この東京ドーム公演でライヴ復帰を果たした小池が「今は本当に、すごくすごく元気なんですけど、できないこともまだあるので、ゆっくりと今までの自分を取り戻そうと思います」と挨拶。また、キャプテンの松田里奈が海外から来場したBuddiesについて触れると、中嶋優月が英語で、藤吉夏鈴が韓国語で挨拶し、多くのファンを喜ばせた。
笑顔いっぱいのトークで会場が和んだあとは、森田をセンターに据えた“Nobody's fault”でライヴは再開。一期生から三期生までのメンバーによる今ならではの編成で、「櫻坂46はじまりの曲」を堂々と披露していく。また、大園玲がセンターに立つ“Cool”ではミュージック・ビデオをモチーフにしたカラフルな映像演出で、独特の世界観を表現。かと思えば、信号機の上に乗った森田がキャンディを口にしながら、ニヒルな表情を浮かべる演出を交えた“Dead end”、守屋麗奈が桜色の月を背に儚さを漂わせながら舞う“桜月”、田村保乃が鬼気迫る表情を浮かべながらエキセントリックなダンスを見せる“流れ弾”と、緩急に富んだ楽曲が次々と繰り出されていく。特に“桜月”ではステージ前方で噴水のような水が、“流れ弾”では滾るような炎や火花が吹き上がる対照的な演出も用意。さらに、“何度 LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう”ではアリーナ後方のサブステージに机や椅子が設置され、センターの村山美羽を筆頭に三期生がミュージック・ビデオさながらの世界を構築し、その情熱的な歌とシアトリカルなダンスに対して客席から盛大な声援と拍手が送られた。
再びメンバーの和気藹々としたMCを経て、ライヴも折り返しへ。藤吉と中嶋、村井優が“恋は向いてない”、山﨑と小島凪紗、向井純葉が“真夏に何か起きるのかしら”、森田と谷口愛季、山下瞳月が“心の影絵”と、メイン・ステージや花道、サブステージなどを駆使して、バラエティ豊かなユニット曲でグループの多彩さを提示していく。また、武元唯衣を中心とした8thシングルBACKSメンバーが、椅子やステッキを用いた華やかなダンスで一体感を作り上げると、その流れで“油を注せ!”へ突入。5月に実施された「8th Single BACKS LIVE!!」でつけた自信がダイレクトに反映された、キレのあるパフォーマンスでその一体感をさらに高めていった。
会場に雑踏の音が鳴り響くと、花道には山下がひとり姿を現し、ペンライトが消えた客席はしんと静まり返る。そのまま三期生メンバーが加わると会場が暗闇と化し、三期生がステップを踏む音だけが響き渡る。続いて、彼女たちにスポットライトが当たり、無音の中で前衛的なダンスが繰り広げられ、そのまま“静寂の暴力”へと繋いでいく。彼女たちの渾身の歌とダンスは、まるで暗闇の中で強烈な光を放つような強烈な存在感で、一瞬たりとも目が離せない。加入から2年に満たないながらも、すでに三期生がグループにとって重要な存在に成長したことは、この1曲からも十分に伝わったことだろう。
彼女たちに惜しみない拍手が送られたあとは、いよいよライヴも終盤戦に。不穏なSEに合わせて観客がクラップを続けるなか、印象的な「Whacha say we do?」のシンガロングが響き渡り、新たな衣装に着替えたメンバーがステージに登場。“マンホールの蓋の上”で会場のボルテージを再び上昇させていく。その熱量は続く“BAN”でさらに高まりを見せ、選抜メンバーとBACKSメンバーがバトルしながらも最後にひとつになる新たな演出で会場を沸かせることに。さらに、“承認欲求”、“Start over!”と代表曲を立て続けに披露すると、メンバーの全身全霊のダンスに応えるように、Buddiesも盛大な声援やコールを響かせ、クライマックスに相応しい熱量で会場を包み込んだ。
2時間近くに及んだライヴも、いよいよラスト・ナンバーへ。派手なイントロダクションに続いて、6月26日リリースの9thシングル“自業自得”がついにライヴ初披露される。新センターの山下を中心に、ミュージック・ビデオ同様に赤や青のペンキが飛び散った白い衣装を着用したメンバーは、ダンサブルなビートに乗せて、細かな動きを交えたダンスで唯一無二の世界観を構築。山下はシングル表題曲初センターながらも、先輩メンバーに負けず劣らずの存在感を発揮させ、櫻坂46の次なる一歩を見事に提示してライヴ本編を終了させた。
アンコールは今ツアーの見どころのひとつでもある、三期生による“Anthem time”と一、二期生による“ドローン旋回中”が交互に披露されるスペシャル・アレンジからスタート。一部メンバーはトロッコに乗ってアリーナを回遊し、手にしたタオルを頭上高くでくるくる回しながら、オーディエンスと再び一体感を作り上げていく。その流れは、続く“Buddies”にも引き継がれ、楽曲が持つポジティヴなパワーと比例するように目一杯明るくなった会場で、メンバーとBuddiesとの絆を確かめ合った。
その後のMCでは、15日公演に発表された8月23日~25日開催の「9th Single BACKS LIVE!!」に続いて、11月23日&24日にZOZOマリンスタジアムにて「4th YEAR ANNIVERSARY LIVE」の開催がサプライズ発表され、会場は歓喜の声に包まれた。
2公演を無事終えた森田は「2年前(の東京ドーム)より少しは成長できた姿をお見せできたんじゃないかなと思います。改めてBuddiesになってくれて、出会ってくれて本当にありがとうございます」と感謝を伝え、中嶋は「私にとってこの場所は、大好きな櫻坂46のライヴをお客さんとして最後に観た場所なので、こうしてみなさんとライヴができていることを嬉しく思います」と口にする。そして、山﨑は「みんなでいろいろ乗り越えてきたツアーで、最後にこの東京ドームでライヴをできたことがすごく嬉しいです。でも、まだまだ上があると思って私たちは活動しているので、Buddiesのみなさんもその大きな大きな愛で私たちのことを応援してほしいですし、もっといろんな素敵な景色をこれからも観にいけたらと思います」と力強く宣言。さらに、キャプテンの松田も「出会ってくださったからには、絶対にみなさんのことを幸せにしますので、これからも櫻坂46についてきてくださったら嬉しいなと思います」と呼び掛けて、サクラピンクに染まった客席を前に、正真正銘のラスト・ナンバー“櫻坂の詩”を歌唱して、2度目の東京ドーム2デイズ公演を大成功のうちに終えた。
来週にリリースを控えた9thシングル『自業自得』を筆頭に、この夏には数々のロック・フェスに出演。その後も「9th Single BACKS LIVE!!」や「4th YEAR ANNIVERSARY LIVE」など、櫻坂46はこのあとも様々な活動の場が控えている。この東京ドーム公演が到達点ではなく、続く未来への通過点としてさらに進化した姿を見せてくれることに期待したい。
(文/西廣智一)
Photo by 上山陽介
▼リリース情報
櫻坂46
9thシングル
『自業自得』
6月26日(水)リリース
ライヴBlu-ray&DVD
『3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE at ZOZO MARINE STADIUM』
NOW ON SALE
■Blu-ray
■DVD
▼ライヴ情報
「櫻坂46「4th YEAR ANNIVERSARY LIVE」」
11月23日(土・祝)、24日(日)千葉 ZOZOマリンスタジアム
「櫻坂46 「9th Single BACKS LIVE!!」」
8月23日(金)、24日(土)、25日(日)千葉 幕張イベントホール
▼映画情報
『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』
2024年8月9日(金)テアトル新宿/グランドシネマサンシャイン 池袋ほかにて公開
キャスト:藤吉夏鈴(櫻坂46) / 髙石あかり / 久間田琳加 / 中井友望 / 綱啓永 / 外原寧々 / ゆうたろう / 八木響生 / 筧美和子 / 石倉三郎 / 髙嶋政宏
監督:小林啓一
脚本:大野大輔
原案:宮川彰太郎
音楽/主題歌:クレナズム “リベリオン”
企画:直井卓俊
エグゼクティヴ・プロデューサー:佐藤現
プロデューサー:久保和明 / 浅木大 / 松嶋翔
製作幹事:東映ビデオ
制作プロダクション:レオーネ
配給:東映ビデオ / SPOTTED PRODUCTIONS
(C)2024「新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!」製作委員会
▼書籍情報
「B.L.T.2024年8月号」
表紙:山下瞳月(櫻坂46)
「blt graph.vol.101」
表紙:田村保乃(櫻坂46)
「SWITCH Vol.42 No.7」
※特集 坂道白書
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース | タグ : Girl's Pop Information
掲載: 2024年06月18日 14:25