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第5回 ─ 永遠の勝者、カートムの栄光

カートムの編み出した豊潤なグルーヴはいまなお最前線で鳴り響いているのだ!!

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2005/05/19   13:00
更新
2005/05/19   14:20
ソース
『bounce』 264号(2005/4/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

 名うてのアレンジャー/プレイヤーたちを取り揃えていたカートムのグルーヴはネタの王者でもある。記憶に新しいところだと、ステイプル・シンガーズ“Let's Do It Again”がジョン・レジェンドの“Number One”にて華麗な転生ぶりを見せていたことか。同曲はアーマッド“Back In The Day”をはじめ、アイス・キューブらにサンプリングされてきた超定番ネタだ。

また、エリカ・バドゥ“No Love”にも用いられた“Lucky Fellow”が定番のリロイ・ハトソンになると、“All Because Of You”をガリアーノが、“Closer To The Source”をカメール・ハインズが、と流石にUK人気が高い。そしてもちろん欠かせないのが御大カーティスの諸曲だ。まず、屈指のメロウ・グルーヴ“Tripping Out”はキャンプ・ロー“Black Nostaljack”への使用で脚光を浴びたが、最近だとTOSHI“Breaking Through”も鮮烈だったし、山下達郎の翻案曲“あまく危険な香り”や、小沢健二“天使たちのシーン”も忘れがたい。

同じく人気ネタの“Give Me Your Love”だと、クイーン・ラティファの同名曲やメアリーJ・ブライジの“I'm Only Woman”などでの使用が有名だし、スヌープ・ドギー・ドッグのデビュー・アルバム『Doggystyle』のイントロに敷かれていたことでも知られている。そのスヌープは近作で“No Thing On Me(Cocaine Song)”をカヴァー……と、とりとめがないが、この熱い支持は永遠に続いていくに違いない。

▼文中に登場したアーティストの作品を紹介


ジョン・レジェンドの2004年作『Get Lifted』(Getting Out Our Dreams/Columbia)