デュエット盤を作るまでには至らずとも、男女デュエットの名曲は数多くある。例えばダイアナ・ロス&ライオネル・リッチーの“Endless Love”(後にルーサー・ヴァンドロスとマライア・キャリーがカヴァー)、アレクサンダー・オニール&シェレールの“Saturday Love”など、だ。特にアレックスとシェレールは両者のアルバムで共演を繰り返し、“Never Knew Love Like This”などのアーバンでアダルトな名曲も披露。同様に曲単位で熱い共演を繰り返したコンビの曲としては、テディ・ペンダーグラスとステファニー・ミルズの“Feel The Fire”や“Two Hearts”、グレン・ジョーンズとジェノビア・ジーターの“Together”なども有名だろう。また、ボビー・ウォマックは自身の『Poet II』でパティ・ラベルとの燃えるようなデュエットを3曲も披露していた。他にもアレサ・フランクリンとジョージ・ベンソンの“Love All The Hurt Away”、リック・ジェイムズとティーナ・マリーの“Fire & Desire”、カシーフとメリッサ・モーガンによる“Love Changes”(マザーズ・ファイネスト曲のカヴァー)、キース・スウェットとジャッキー・マッギーの“Make It Last Forever”など、現在も歌い/語り継がれるデュエット(・バラード)が80年代を中心に数多く誕生している。そこには別掲のアルバム以上に強いインパクトを与えた名曲も少なくないのだ。
ボビー・ウォマックの編集盤『The Poet I & II』(Abcko)
リック・ジェイムズの81年作『Street Songs』(Motown)