PEABO BRYSON & ROBERTA FLACK
『Born To Love』 Capitol(1983)
80年の共演ライヴ盤『Live & More』の好評を受けて制作された、年の差14歳のデュエット作。マイケル・マッサーによるブラコン作法の甘い舌触りで統一され、日本では小柳ルミ子&大澄賢也(13歳差)の濃密なテーマ曲として記憶される“Tonight, I Celebrate My Love”が大ヒットした。この後のピーボは、セリーヌ・ディオンやレジーナ・ベルとのディズニー映画曲を通じてデュエット巧者ぶりを発揮していく。
(出嶌)
WOMACK & WOMACK
『Love Wars』 Elektra(1983)
ボビー・ウォマックの弟セシルとサム・クックの娘リンダによる夫婦ユニットのデビュー作。ローリング・ストーンズ曲のカヴァー“Angie”以外はすべて夫婦の作で、リンダの美声が冴え渡る“Baby I'm Scared Of You”やテディ・ペンダーグラスに提供した曲のセルフ・リメイク“T.K.O.”などをスチュワート・レヴィンのプロデュースのもとアダルトかつポップに歌い上げる。後にハウス・オブ・ゼカリヤスと改名して活動。
(林)
RENE & ANGELA
『Street Called Desire...And More』 Mercury(1985)
共に裏方的な才も備えていたリネイ・ムーアとアンジェラ・ウィンブッシュのデュオ(結成直後に結婚)。80'sなファンク感覚にシャープな歌唱を合致させた作風で人気を集め、ボビー・ワトソンやブルース・スウェディエンの後見したこの最終作からは“Save Your Love”など2曲のNo.1ヒットが生まれた。解散&離婚後のアンジェラはロナルド・アイズレーと公私に渡るデュエットを奏でていく(が後に離婚)。
(出嶌)
JUICY
『It Takes Two』 Epic(1985)
もともとは5人組でデビューし、この2作目でグループの中核だったジェリー&キャトリースのバーンズ兄妹の2人組となったジューシー。デュオと言うよりはユニットだが、ここではエウミール・デオダートのプロデュースのもと演奏やヴォーカルを兄妹でこなしており、共演盤という意味ではこれほど密な作品もないかもしれない。表題曲のサビでのハモリも○。TR-808使いの定番ネタ“Sugar Free”の収録盤としてもお馴染みだ。
(林)
CHANTE MOORE & KENNY LATTIMORE
『Things That Lovers Do』 Arista(2003)
本作のみ近年の盤だが、往年のソウル・デュエットを多数取り上げた作品という点で繋げて楽しんでほしい。すでにソロで一定以上の成功を収めていた両者が結婚を機に作り上げたもので、(廃盤のためここでは紹介できない)シリータ&GC・キャメロンの名曲“With You I'm Born Again”などを見つめ合うように披露してくれる。レコーディング後にご懐妊というめでたいサプライズも!
(出嶌)