THE JACKSONS
『The Jacksons』 Epic/ソニー(1976)
ジャクソンズ名義では初となるアルバム。制作はギャンブル&ハフ、マクファデン&ホワイトヘッド、デクスター・ワンセルらで、ジャクソン5感を残したダンサブルな“Enjoy Yourself”を筆頭に、流麗で躍動感溢れるフィリー・サウンドを備えた快作だ。当時18歳のマイケルが淡い青年声で歌い上げたスムーズなダンサー“Show You The Way To Go”は、後にMJJから登場するメン・オブ・ヴィジョンがカヴァー。*林
THE JACKSONS
『Goin' Places』 Epic/ソニー(1977)
前作に続くフィリー録音作。こちらもギャンブル&ハフとその一派がバックアップしているが、“Do What You Wanna”など、兄弟全員でソングライト/プロデュースした秀曲を含んでいるあたりにも注目すべきだろう。ジャクソン5っぽさを引きずる表題曲のようなダンス・チューンから優雅なストリングスに包まれたメロウなバラード“Find Me A Girl”まで、アルバム全体で〈ボーイズtoメン〉な成長を実感させる傑作だ。*林
THE JACKSONS
『Destiny』 Epic/ソニー(1978)
セルフ・プロデュースによる初めてのアルバム。録音場所も西海岸に移動し、ネイザン・ワッツ(ベース)やグレッグ・フィリンゲインズ(キーボード)といった腕利きを従え、トム・トム84らに管弦アレンジに任せた本作では、一段と垢抜けたジャクソンズに出会える。ダンサブルな“Blame It On The Boogie”“Shake Your Body(Down To The Ground)”といった2大ディスコ・チューンでお馴染みの作品だが、スロウも素晴らしい。*林
MICHAEL JACKSON
『Off The Wall』 Epic/ソニー(1979)
言わずと知れたマイケルのエピック移籍第1弾アルバムであり、〈ジャクソンズ/ジャクソン家のマイケル〉による最後のソロ作とも言えるか。総合プロデュースを担ったクインシー・ジョーンズの統括力やロッド・テンパートンのセンスが大きく作用した結果なのはもちろんだが、MJ自身の曲作りやアレンジのスキルが素晴らしかったことは後に公開されたデモ音源(ランディとジャネットも参加)でも証明されている。*出嶌
THE JACKSONS
『Triumph』 Epic/ソニー(1980)
破格の成功を収めた『Off The Wall』の方法論を持ち込むべくグレッグ・フィリンゲインズをサポート役に据え、実質的にMJが統率したキャッチーな4作目。融和のメッセージを訴えた“Can You Feel It”や、デマや中傷に悩まされる様子を描く“This Place Hotel”に託された心情は、そのまま『Thriller』へも引き継がれていく。成長著しいランディの活躍も目立ち、兄弟間の蜜月がギリギリのバランスで保たれていた最後のアルバムでもある。*出嶌
THE JACKSONS
『Live』 Epic/ソニー(1981)
上掲の『Triumph』リリース後に行われた全米ツアー(81年8月)からの音源で構成されたライヴ盤。ジャクソンズのステージながらレパートリーには『Off The Wall』からのナンバーも含み、モータウン時代のマイケルのソロ曲やジャクソン5曲メドレーを用意するなど、これはMJファンに向けられた一枚と言えそう。大歓声を浴びながら勢いよくステージを駆け回る兄弟たちの姿が目に浮かんできそうな、賑やかな実況盤である。*林