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スタジオジブリの音楽

音楽作品としても独立した魅力を放つジブリのオリジナル・サウンドトラックをピックアップ!――(2)

連載
360°
公開
2010/08/05   13:53
更新
2010/08/05   13:54
ソース
bounce 323号 (2010年7月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/桑原シロー

 

『ホーホケキョ となりの山田くん スタジオジブリ/徳間ジャパン(1999)

矢野顕子が映画音楽に初挑戦した本作。アッコちゃん節炸裂なテーマソング、彼女編曲のモーツァルト曲など、滋味豊かなトラックがいっぱい(ファンキーな名曲“電話線”も収録)。チェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団によるマーラーやメンデルスゾーン曲も挿み込まれ、かなり豪華な内容に。

千と千尋の神隠し スタジオジブリ/徳間ジャパン(2001)

ベルリン映画祭グランプリ受賞の感動作には、久石譲による忘れ難き音楽たちが。“あの夏へ”ほか、美しく澄んだ映像と見事にマッチするロマン溢れるスコアがとにかくエクセレント。ゲルトナー・ライアー(竪琴)を操る木村弓が歌う主題歌“いつも何度でも”の清純な響きもやっぱり格別。

猫の恩返し スタジオジブリ/徳間ジャパン(2002)

「耳をすませば」のスピンオフ作品、そのサントラも引き続き野見祐二によるもの。“ハル、起きてるぅ?”“猫の恩返し”など新緑の匂いがする色彩豊かなオーケストラ・サウンドに胸が躍りまくり。つじあやのが歌うポッカポカでキッラキラなウクレレ・ソング“風になる”に身も心も軽くなる。

ゲド戦記 スタジオジブリ/徳間ジャパン(2006)

寺嶋民哉による壮大な世界観を描き出すスコア、なかでも注目はガリシアの音楽家、カルロス・ヌニェスが参加したケルト・トラッド曲。彼の鮮烈なバグパイプ演奏は、多くの音楽ファンから注目を浴びた。谷山浩子が作曲し、手島葵が歌う“テルーの唄”も白眉。この美しさを何に喩えよう?

崖の上のポニョ スタジオジブリ/徳間ジャパン(2008)

藤岡藤巻と大橋のぞみによるフリー&イージーなテーマ・ソングも大ヒットした宮崎&久石タッグの最新作。映画「南太平洋」の“Bali Ha'i”を彷彿とさせる“深海牧場”など、 広々とした海をイメージさせる楽曲が多いが、随所に登場するチャーミングなメロディーを持つ曲もまた魅力的だ。

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