できるだけ夏っぽいものから……まずは上掲のスピナーズやサダーンと同様、金澤寿和監修の〈Light Mellow's Picks〉シリーズから、リオン・ウェア仕事のひとつとして名高いシャドウの81年作『Shadows In The Streets』(Elektra/ワーナー)が世界初CD化されています! 元オハイオ・プレイヤーズのビリー・ベックらが組んだトリオの3作目で、熱いファンク魂がリオンの手捌きで電化グルーヴにまとめられています。同シリーズからは81年作『All Toys Break』(Cotillion/ワーナー)などイリュージョンの2品や、バンクス&ハンプトンの77年作『Passport To Ecstasy』(Warner Bros./ワーナー)がリイシュー済み。サダーンの2枚が出る8月11日にはユージーン・レコードの世界初CD化やシェリック、シュガーフットの復刻もありますが……それはまた次回にて!
で、そのシュガーフットと同じくロジャー・トラウトマンが手掛けた歌モノ名盤のひとつ……かつて日本でのみCD化されていたボビー・グローヴァーの84年作『Bad Bobby Glover』(Columbia/Expansion)も久々にCD化。ロジャー~ザップ軍団きっての実力派シンガーだけに、ファンクもスロウもディープなソウル汁にまみれて格好良すぎ。シャドウを経てザップに加入した先述のビリー・ベック、さらにはメイシオ・パーカー御大も参加していますね。
で、いきなりフィリー。ブームが到来する以前の60年代から活動してきたアーリー・フィリーを代表する男女グループ、ブレンダ・アンド・ザ・タビュレーションズが77年に残した最終作『I Keep Coming Back For More』(Chocolate City/Reel Music)も世界初CD化。ノーマン・ハリスやボビー・イーライら旧MFSBの名匠が関与した佳作でございます。
そしてデトロイト。80~90年代の同地で活躍したプロデューサーのマイケルJ・パウエルを中心に、アニタ・ベイカーがリードを務めたバンド=チャプター8の79年作『Chapter 8』(Ariola/Expansion)が待望の復刻であります。さらには狂気のデトロイト掘りを続けるアウタ・サイトから……グループ愛好家の間で絶大な人気を誇るインナーヴィジョンの編集盤『We're Innervision』(Outta Sight/MAGNUM CAT)が到着。ブツの佇まいはマニアックですが、驚くほどポップでメジャー感のある良曲集ですよ。で、最後は爆発的なマイケルの歌唱が楽しめるジャクソン5の発掘ライヴ音源集『Live At Forum』(Hip-O Select)を紹介。もうなくなるかも。
▼文中に登場した作品を紹介。
左から、シャドウ『Shadows In The Streets』(Elektra/ワーナー)、イリュージョン『All Toys Break』(Cotillion/ワーナー)、バンクス&ハンプトン『Passport To Ecstasy』(Warner Bros./ワーナー)、ボビー・グローヴァー『Bad Bobby Glover』(Columbia/Expansion)、ブレンダ・アンド・ザ・タビュレーションズ『I Keep Coming Back For More』(Chocolate City/Reel Music)、チャプター8『Chapter 8』(Ariola/Expansion)、インナーヴィジョン『We're Innervision』(Outta Sight/MAGNUM CAT)、ジャクソン5『Live At Forum』(Hip-O Select)