BLOCKHEAD 『The Music Scene』 Ninja Tune(2009)
毎度の折衷感もついにここまで極まったかと感慨もひとしおな3作目。緩急自在なビッグドラムに身を任せながらUKソウル~アフロ~エスノまで次々と襲う世界中の感動的な〈音楽場面〉が琴線を直撃しないわけないでしょ。*入江
BONOBO 『Black Sands』 Ninja Tune(2010)
ニンジャの新しい魅力となったメランコリックなサウンド。その新機軸の確立に一役買ったのがヴェテランのボノボだ。彼の繰り出す卓越したビートは、生楽器が産むエモーショナルな調べによく似合う。本作が持つ叙情性はこの先もニンジャの活動に重要なファクターとなるだろう。*青木
LOU RHODES 『One Good Thing』 Motion Audio(2010)
シネマティック・オーケストラが設立したレーベルの第1弾アクトは、彼らとのコラボも多い元ラムの彼女。しかも元相棒のアンディ・バーロウを迎えて、アコースティック・セットでラムを再結成したような内容が味わい深い。*出嶌
POIRIER 『Running High』 Ninja Tune(2010)
北米の電化ダンスホール大使ことギスランを取ったポワリエさんの忍者での2枚目。ワララレ~ン♪でお馴染みドM体操のテーマ“Wha-La-La-Leng”を筆頭にクドさ増々の辺境ビーツは、一回食すとしばらくいいやと思いながらも、あれよあれよと耳を運んでしまうこの爽快感ったら! *入江
FUNKI PORCINI 『On』 Ninja Tune(2010)
レーベル設立当時のトリップ・ホップ期から活動するヴェテランの、実に8年ぶりのアルバム。クラシックやジャズからのサンプリングにピアノやヴィブラフォンなどの生楽器を絡めた、優雅で洗練されたブレイクビーツ世界が魅力だ。*田中
LORN 『Nothing Else』 Brainfeeder(2010)
ブレインフィーダー初の公式アルバムの座を射止めたのは、悪魔が宿ったかのような不気味さと力強さをビートに満たす奇才、ローン。ダブステップやヒップホップの影響下にある漆黒のビートと不穏なウワ音によって構築された本作は、あまりの異端ぶりに衝撃を持って迎えられた。*青木