11. クラムボン 『LOVER ALBUM』 コロムビア(2006)
トリビュート盤で発表済みの楽曲も収められた初のカヴァー・アルバム。矢野顕子、ソフト・マシーン、Small Circle of Friends、フィッシュマンズ、YMO、ザ・バンドなどなど、緩やかなテンションでクラムボン色に染め上げているあたりが好感触。*久保田
12. クラムボン 『3 peace ~live at百年蔵~』 コロムビア(2006)
2006年に博多の造り酒屋で行われたライヴを完全収録。人気ナンバーが並ぶ選曲や、ライヴ・バンドとしての卓越したパフォーマンスも魅力的だが、小規模の会場ならではな観客とのピースフルな交流こそがこのライヴの特徴だ。*鬼頭
13. dot i/o 『Declaration of the Independence of the imagination and the Rights of Man to His Own Madness II』 Pヴァイン(2006)
カンのイルミン・シュミットを招いて作品を制作したミトのソロ・プロジェクト。表情豊かなエレクトロニクスが駆け巡る実験作だが、妙に人懐っこい。*北爪
14. micromicrophone 『Declaration of the Independence of the imagination and the Rights of Man to His Own Madness III』 Buzztone(2006)
ミトの3つ目のソロ・プロジェクトはフォーキーな佇まいが美しい歌モノ。全楽器を一人で演奏し、彼のパーソナルがもっとも滲む逸品。*北爪
15. The Sun calls Stars 『06・05・26』 murfin discs(2006)
伊藤大助と、曽我部恵一バンドなどで活動するオータコージによる即興ドラムス・ユニット。本作ではサポート・メンバーによるムーグや大正琴、パーカッションも加え、タフなビートによるスリリングな音楽対話を繰り広げている。*鬼頭
16. クラムボン 『Musical』 コロムビア(2007)
カヴァー集やライヴ盤を挿んでの7作目。各々の課外活動の成果もフィードバックしつつ、より自由度を高めた音世界を構築している。柔軟なポップスが連鎖的にスパークする前半を経て、音響プログレッシヴめいた後半へと至る流れも素晴らしい。*北爪
17. 原田郁子 『銀河』 コロムビア(2008)
初回盤は絵本付きとなった3部作のラスト。鍵盤と弦楽器の数少ない音が生み出す流れに歌がたゆたう様はどこか神秘的で、物悲しく儚く、そして美しい。表題曲で招いた忌野清志郎とLITTLE CREATURESのほか、クラムボンの2人も参加している。*鬼頭
18. LOTUS GUITAR 『second tide』 Tropical(2008)
伊藤とギタリストのASHから成るデュオの2作目。骨太なリフで押すロック・チューンから清涼なアコギのインスト、ファンキーなジャム・セッションやクラムボン“Folklore”の男声カヴァーといった幅広いアレンジに、2人の美学が。*鬼頭
19. クラムボン 『Re-clammbon 2』 コロムビア(2009)
セルフ・カヴァー第2集。こうした作品だと、いかに異なる解釈を施すかに力点が置かれがちだが、本作は原曲を徹底して深化させる編曲を主軸としている。よって音像の輪郭は鮮烈さを増し、旋律の機微もいっそう際立った。良い仕事だ。*北爪
20. クラムボン 『2010』 コロムビア(2010)
高度かつ複雑なアンサンブルで作り込まれたものから、ほぼピアノの弾き語りまで、それぞれの曲が異なるカラーを持つ最新のオリジナル作品。それでもとっ散らかった印象がないのは、キャッチーなメロディーの強さが通底しているからだろう。*鬼頭