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平井堅

JAPANESE SINGERの歩み——(2)

連載
360°
公開
2011/06/08   00:00
ソース
bounce 332号 (2011年5月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/出嶌孝次


『Ken's Bar』 DefSTAR(2003)

不遇期に〈開店〉させた同名ライヴの5周年を記念したカヴァー・アルバム。ロバータ&ダニー調の“You've Got A Friend”に忘れ形見のレイラ・ハサウェイを迎え、“Don't Know Why”をジェシー・ハリスと演るなど、必然性のある豪華さも心憎いし、聴き手との距離を親密に保つ歌の優しさが何より魅力的。

 

『SENTIMENTALovers』 DefSTAR(2004)

亀田誠治と組んだ号泣バラード“瞳をとじて”の自己最大ヒットを受けて登場した一枚。OCTOPUSSYによるSOULHEADノリの R&Bや2ステップ、フィルーによるハウスなどボトムは多彩ながら、いずれも前以上に歌謡性を重視した内容に。そこに性愛ネタの“鍵穴”をニュッ と挿入するのも平井らしい。

 

『FAKIN' POP』 DefSTAR(2008)

軽妙な“POP STAR”(2005年)から足掛け4年分のシングルを満載した、3年半ぶりのオリジナル作。初期2作以来の武部聡志アレンジによる“いつか離れる日が来 ても”と情念の渦巻く“哀歌(エレジー)”の幅を味わえば、歌い手としての成熟ぶりも伝わろうというもの。結びは亡き父に切々と捧げた“写真”。

 

『Ken's Bar II』 DefSTAR(2009)

コンセプト・カヴァー盤の第2弾。草野マサムネからトニーニョ・オルタ、フランク・マッコム、小野リサまで豪華なゲストとの絡みも良好ながら、最小 限の編成で取り上げた浜崎あゆみやイーグルズ、ニーヨ曲での切なさに惹かれる。前回の坂本九に対し、こちらでは美空ひばりとの擬似デュエットが実現!

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