GOTH-TRAD 『Mad Raver's Dance Floor』 (2005)
当時話題になりつつあったUKのダブステップ・シーンのザワツキを敏感に察知した彼が、そのルーツの一部である初期レイヴ〜ジャングルの狂騒をリヴァイヴァルしながら新しいサウンドへと昇華した、あまりにも早すぎた傑作。ディープ・メディからの最新作が話題となっているいまこそ聴かれるべき! *北野
YAS-KAZ 『兎に角』 (2006)
ジャズ方面とも繋がるヴェテラン・パーカッショニスト。バリでガムランを、セネガルではサバールという民族太鼓を学んだという彼らしいエッセンスを滲ませたフリージャズを展開している。坂田明をはじめ数々のゲスト・プレイヤーを招き、決して自身のプレイを前面に出した作りではないところも印象的だ。 *加藤
DJ BAKU 『SPINHEDDZ』 (2006)
サンプリングという手法とスクラッチへのこだわりを90sヒップホップ直系のビート感と共に体現した初作。その後ボトムが太く全体のスケール感を増していく彼の音楽にあって、ここでの作風は初々しいくらいだ。ボーナス・トラックとなったMSC勢との各共演曲も、いまや彼の音楽的なルーツを覗かせるかのよう。 *一ノ木。
BLUE FOUNDATION 『Solid Origami』 (2006)
ヒップホップ、シューゲイザー、エレクトロニカ、ターンテーブリズムをポップソングへ巧みにブレンドする、トビアス・ウィルナー率いるバンドの編集盤。どんな要素を入れてもアーバン・ポップへと昇華させる彼らの真骨頂が味わえるだけでなく、GOTH-TRADやDJ BAKUらのリミックス音源も実に秀逸。 *青木
RUMI 『Hell Me WHY??』 (2007)
時に悲痛なまでに情念を塗り込めるゴスなパフォーマーぶりをカラフルな音へ落としはじめた2作目は、舌鋒の鋭さはそのままに、若干のペース・チェンジを見せている。顔を出すアイロニーも反転させる余裕が。MSCのO2共々ベストなO.N.O(THA BLUE HERB)製“極楽都市”の雄々しいヴィジュアライズに震えた。 *一ノ木
oak 『one』 (2007)
BOOM BOOM SATELLITESのドラマー・平井直樹と、DJ BAKUらの作品でエンジニアとして活躍する三浦薫のエレクトロニック・ロック・ユニットの初作は、電子音とドラムを軸にポスト・ロック、エレクトロニカ、果てはドリルンベースまでと鮮やかな仕上がり。自由かつ遊び心溢れる発想で育まれた音・瞬間に出会え、実に楽しい。 *青木
BLACK GANION 『First』 (2007)
2003年に結成された〈Super Metamorphosis Grinder〉ことBLACK GANIONは、インプロヴィゼーションやノイズを駆使したグラインドコア界の異端児。この初作で披露した、ブラストビート上でギターやベースが繰り広げるインプロの応酬は、絶妙なバランスで成り立ち、鳥肌が立つほどスリリングに展開されている。 *青木
DJ BAKU 『DHARMA DANCE』 (2008)
かつてLOUDNESSのトリビュート盤にも参加していたBAKUだが、この2作目ではディストーション全開のギターや生ドラムなどロックな要素をググッと増強。そこにケチャやら胡弓やらも投入して独自のドープネスを醸造している。いとうせいこうのアジテーションが激アツな重要曲“DHARMA”はここに収録。 *北野。
徳澤青弦 『ポツネンの音楽』 (2008)
anonymassやASA-CHANG&ブルーハッツのメンバーとしても知られるチェロ奏者。コトリンゴや毛皮のマリーズなどなど、演奏や弦アレンジでの仕事量はハンパないが、マイペースにソロ作も発表しており、その初作はこちらから。エレガントでストレンジな室内楽ナンバーの数々は、おとぎ話の世界に迷い込んだ気分に。 *加藤
YAS-KAZ 『狂ひそうろふ』 (2008)
『兎に角』でPOPGROUPデビューを果たしたパーカッショニストによる、続いての一手がこちら。荘厳なオープニングに導かれてスティール・パン、ドラム、ジャンベの各ソロ曲が順に続き、アンビエントやダビーなアレンジのナンバーまで飛び出す本作は、神秘的でイマジネーションを強烈に喚起する。 *青木
DJ BAKU 『JAPADAPTA』 (2009)
意外にもこれが彼にとって初の公式ミックスCDなのだけど、そこであえて日本人の楽曲のみという縛りに挑戦する攻めの姿勢にまず感服。コアなヒップホップ勢からZAZEN BOYS、ザ・スターリン(!)までを俎上に乗せるラディカルな選曲はもちろん、エフェクトを多用した鬼トリッキーな繋ぎ技もバッチリ堪能できる。 *北野