1. 『鼓動の秘密』 avex trax(2011)
やはりこの方向性はこの時期だけの輝きを封じ込めたものだったんか。楽曲ごとのヤング・ソウルなシルエットと素直なメロディーと声のフォルムが完璧にフィットした名曲揃いの初作。手数を競わないアレンジも素晴らしい……んだけど。アウトロが新作のイントロになっているのを踏まえて聴けば、“Attack Hyper Beat Pop”も次章への予兆のように響きますね。
2. 『鼓動の秘密/サヨナラ、ありがとう。』 avex trax(2011)
アルバムからのリカットで、そこでは心音の序曲と繋がっていた“鼓動の秘密”もイントロなしの形で収録。8ビットでスウィングするキュートなYMCKリミックスに加え、type-Dのみ収録の松井寛によるリミックスもタイトなクラップが最高です。
3. 『Limited addiction/We Will Win! -ココロのバトンでポ・ポンのポ〜ン☆-』 avex trax(2011)
一気にリスナーの幅を広げた転機の“Limited addiction”は、改めて聴くと“ゆうやけハナビ”に黄昏をドーピングしたような感じで、決して急激な背伸びでなかったこともわかります。type-Dのみ収録のロッキッシュなリミックスも聴きものではありますが、番外編的な長岡成貢アレンジ曲のチアフルな楽しさがバランス取りに貢献しているのも確か。
4. 『Liar/W.M.A.D』 avex trax(2011)
Juliet仕事で実績のあるAsiatic Orchestraが作曲した“Liar”は、力強さを増した歌唱とアシッド・ジャズ調の畳み掛け感が切迫したテンションを表現した佳曲。type-Dでのみ聴けるセントラル・ライン調のリミックスもまさにRoyal Mirrorballな出来で必聴です。“ヒマワリと星屑”をオトナ化した意匠で〈大人になんかなりたくない〉と歌う“W.M.A.D”のジレンマもグルーヴィー。
5. 『Rock you!/おんなじキモチ -YMCK REMIX-』 avex trax(2012)
アルバム直前に出た最新シングルで、目玉はテクノ・ポップ仕立てな“おんなじキモチ”のYMCKリミックス。松井がハウサーとしての本性を見せた“Rock you!”のリミックスはtype-Cにのみ収録されています。