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SWEET SOUL RECORDSが掘り出した、世界中のソウルの魔法

どこから聴いても〈ソウル〉が溢れる珠玉の良品たち――(1)

連載
360°
公開
2012/07/18   14:00
更新
2012/07/18   14:00
ソース
bounce 345号(2012年6月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/池谷昌之、林 剛、出嶌孝次


INNOSPHERE 『Shine』 TruSoul/SWEET SOUL (2010)

シカゴ出身の男女ユニット。ジル・スコットを思わせるディープさを持つニナ・ラエの詩と歌をメインとするネオ・ソウルだが、それが硬質なヒップホップ・トラックに乗っているのが本作の特色だろう。クリーンで固い印象のビートが、かえってヴォーカルの揺らぎやニュアンスを際立たせている。*池谷

 

AMBER OJEDA 『Here I Am』 Amber Ojeda/SWEET SOUL (2010)

カリフォルニアはサンディエゴ出身のシンガーによるデビュー作。ジャズ・ヴォーカルの素養を窺わせるアンニュイな歌声が持ち味で、洒脱にスウィングする“Hype Love”や、ヒップホップ・ソウル的なビートとジャズ・ピアノが絡む“Don't Rush”でたゆたう姿が実によく似合う。*池谷

 

SOULPERSONA 『Soulacoaster』 Digisoul/SWEET SOUL (2011)

〈ネオ・ソウル界の秘密兵器〉とでも呼びたいUKの俊英クリエイターによるプロジェクト盤。甘美でクールなアレンジに包まれながら、ダリエンなど欧米のインディー・シンガーが歌声を解き放つ秀作で、ランプのメンバー参加からもわかるようにロイ・エアーズ的メロウネスが全編を覆い尽くす。*林

 

JEREMY JAMES 『For You』 LIX/SWEET SOUL (2011)

NYをベースに活動するシンガー・ソングライター。数々のネオ・ソウル系アーティストと共演してきた人らしく、本人の弾くギターを中心とした温もりのあるオーガニックなサウンドをバックに、優しく情熱的に歌い上げる。スティーヴィー・ワンダーへの憧れも随所に表れた良作だ。*林

 

MR PRESIDENT 『Number One』 Favorite (2011)

ダイナミックスなどを率い、複数の名義を駆使してレゲエからハウスまで黒いグルーヴを貪欲に探求し続けているブルーノ・ホヴァートのプロジェクト。本作ではミスター・デイやハワらを従えてブラック・ムーヴィー的なファンクを披露。そこにアフロビートも加味する技量はフランス産ならではか。*出嶌

 

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SACHA VEE 『Sacha Vee』 Sacha Vee/SWEET SOUL (2011)

オランダと西インド諸島の血を引くニュージーランドのシンガー。現地のヒップホップやドラムンベース作品への客演を経てリリ−スしたこのファースト・アルバムでは、ジャズの素養を感じさせながらも殻を破ってくるタフな歌いっぷりに翻弄される。“Honey Bee”の深いメロウネスが最高。*出嶌

 

NIK WEST 『Just In The Nik Of Time』 Nik West (2011)

デイヴ・スチュアート(元ユーリズミックス)からもお墨付きを得た新鋭女流ベーシスト。チョッパー奏法も用いて骨太なファンク・グルーヴを生み出すあたりはミシェル・ンデゲオチェロを思わせるが、それでいてコケティッシュな歌声で小粋なネオ・ソウルを歌うギャップがいじらしい。要注目の存在だ。*林

 

RHONDA THOMAS 『Listen: Deluxe Edition』 Harmony In Life (2011)

アトランタのソウル集団・ジーヴァの歌姫による最新ソロ。ジーヴァ的なブラジリアン趣味を打ち出したグルーヴィーな曲を颯爽と歌う一方で、恩師アイザック・ヘイズの名曲“Do Your Thing”などを黒々と歌い込んでもいる快作だ。トゥー・トンズ・オブ・ファン“Just Us”のカヴァーも好演。*林

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