WEELAND & THE URBAN SOUL COLLECTIVE 『The Golden Sessions』 Soulab/SWEET SOUL (2011)
ドイツ人ギタリスト/プロデューサーのパトリック・ウィーランドがセッション・シンガーたちを迎えて放ったプロジェクト。ジャズ・ファンク的なホーンをもってアプローチしたネオ・ソウルが、同じドイツのティル・ブレナーあたりとよく似た響きを持つのが興味深い。*池谷
SOLBURST 『Natural High』 Solburst (2012)
メキシコシティを拠点に活動する美男美女ユニットによるデビュー作。スモーキーなアレクサンドラ嬢のヴォーカルと、重めのベースラインが印象に残る湿度の低い楽曲との組み合わせはかつてのグルーヴ・セオリーあたりを思い起こさせる。ラテンな軽妙さを期待するといい意味で裏切られるクールな一枚だ。*池谷
SHIRMA ROUSE 『Chocolate Coated Dreams』 Shirma Rouse/SWEET SOUL (2012)
シャーマ・ローズと読むオランダの新進シンガー。地元のレゲエやポップス作品でバック・コーラスを多く担当する実力派のデビュー・アルバムだが、なぜいままで気付かれなかったのか?と不思議に思えるほどの感情豊かな佳作。本編のラストを飾る“Take Me As I Am”に降参。 *出嶌
JULIE DEXTER 『New Again』 Ketch-A-Vibe (2011)
ジャズからブロークン・ビーツまでを自在に行き交い、独自のソウル世界を展開するジュリー・デクスターの6年ぶりとなるソロ作。シカゴのDJ/クリエイター、スティーヴ・マエストロとの共同制作となる本盤でも、ハウス、ボサノヴァ、70sソウル調などを柔軟に歌いこなす。透明感のある美声は説得力十分だ。*林
ORLY 『Distraction』 Orly/SWEET SOUL (2012)
前後して日本で人気を博したエレクトリック・エンパイアと同じく、オーストラリアで発掘されたヴィンテージ・モダンな宝石。この日本盤はニュー・アルバムと2009年のファーストEPをセットにしたもので、ジャケの几帳面な雰囲気とはまた異なる官能性に満ちた、ナチュラルかつジャジーな仕上がりだ。*出嶌
PARIS TOON 『Baptism By Fire』 Carefree/SWEET SOUL (2012)
ヒップホップ畑でフュージョン的な旨味も感じさせる、これまでのSWEET SOULが送り出してきたアーティストとはまたひと味違ったブルックリン産の逸品。マザーズ・フェイヴァリット・チャイルドというジャズ・バンドを率いた内容は宇宙的なダイナミクスに溢れていて、アルバム単位で酔いしれたい一枚だ。*出嶌
VENUECONNECTION 『Fire It Up!』 Keepin' The Groove (2012)
UKでは4,000枚のセールスを記録したというスペインのファンク〜アシッド・ジャズ・バンドの3作目。カッティング・ギターやホーン隊が推進力を増大させるバンド・サウンドに男女ヴォーカルが乗るところまではお約束な音だが、要所で挿し込まれるワウやシタールが猥雑かつスパイシーで印象に残る。*池谷
SHIRMA ROUSE 『Sings Aretha』 Shirma Rouse (2012)
オランダ領の島で育まれた大らかな歌声のレディー・ソウル。デビュー作から程なくして発表した今作は、憧れのアレサ・フランクリンの名曲を歌ったカヴァー集となった。ブルージー&ファンキーなアトランティック初期の曲を中心に、原曲の魅力を活かしながら愛情込めて歌い上げる力強くも気品漂う好盤。*林