I EDMの成り立ちと歴史
はい、メチャクチャお久しぶりのコーナーです。今回は日本でもブームになってほしい〈EDM〉を紹介します。言葉そのものはElectronic Dance Musicの略で、昔から使われていた大まかなジャンルの総称だね。具体的なサウンド/アレンジの呼称(テクノやハウス、エレクトロなど)を用いる日本とは違って、主にUSではエレクトロニックなクラブ・ミュージック全部!ぐらいの大雑把さで使われてきた言葉なのかな。ロック、アーバン、カントリー、EDM、ぐらいの感じというか。
で、その〈EDM〉がいま新しいジャンルを示すキーワードとして浮上してきてるわけだ。というよりは、〈EDM〉という言葉そのものの使われ方が新しくなった、と言ったほうがわかりやすいかな。そのように言葉がリフレッシュされたきっかけは、デヴィッド・ゲッタやLMFAOの世界的なポップ・ヒットも背景にあるだろうし、〈Electric Daisy Carnival〉などのダンス系フェスが集客を伸ばしている事実も作用しているのだろうけど、直接的にはやはりスクリレックスのグラミー受賞になるんだろうね。そこで権威を得たことで、彼と周辺の音楽が注目を浴び、ビルボードやローリング・ストーンといった由緒正しいUSメディアが〈EDM〉という言葉を使いはじめたというわけだね。その流れに乗ってその言葉も日本に来たのだと思います、たぶん。
そんなわけでまとめると、その狭義の〈EDM〉が含むものとは、ある種のプログレッシヴ・ハウスやある種のエレクトロ・ハウス、そしてブロステップ(前頁でボーイズ・ノイズは〈アメリカン・ダブステップ〉と呼んでるね)といった、ハデで下世話なダンス・ミュージック全般なんだ。雰囲気的にはダーティー・ダッチやユーロダンス(ユーロビートとごっちゃにしちゃダメよ!)なんかも含む感じ……といえば諸君もピンとくるはずだね。
つまりはもともと(日本でも)ある種のリスナーにはずっと楽しまれてきたような音楽に、新しいタグが付けられたということなんだよ。特に本誌ではデヴィッド・ゲッタ『Nothing But The Beat』が出たときの特集で周囲の動きをEDM+アーバンと称して取り上げていたし、もう1つ前の『One Love』が出た時にもその流れをまとめているよ。数か月前にもスティーヴ・アオキなんかを〈ポップス特集〉と呼んで取り上げていたし、よいこのbounce読者なら言われなくてもとっくに〈EDM〉漬けだよね!?
★EDMの代表格、デッドマウスのニュー・アルバム『> album title goes here <』のインタヴュー記事はこちらから