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【第19回】――メグリアイ/THE ポッシボー

会えない時もそばにいた……いる!

連載
ZOKKON -candy floss pop suite-
公開
2013/05/22   16:00
更新
2013/05/22   16:00
ソース
bounce 354号(2013年4月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次


〈アイドル・ポップ界の良心〉とかいう安直な形容は本当に好きじゃないんですが、思わずそんな言葉でデコレートしたくなるほどの何かを彼女たちと彼女たちの楽曲が備えていたのは確かでしょう。昨年末に最初で最後のワンマンを以て〈散開〉したTomato n' Pineですが、その模様が「The First and The Last POP SONG 4EVER〜散開〜」としてDVDリリースされました。ソールドアウトで当日観られなかった人には嬉しいアンコールでしょう。

もとよりライヴではなく音源そのものでエンターテインすることを旨としていたグループだけに、そのパフォーマンスは昨今主流の諸々とは真逆を行く、やや拙くも優美なもの。“10月のインディアン”で幕を開け、ほぼ全レパートリーを歌い切った18曲。楽曲のクォリティーは言わずもがな、フィリー作法の“大事なラブレター”をスタンドマイクで披露されたりなんかすると、どうしてもうっとりしてしまいますね。

メジャー・リリースしていたアーティストの解散後の作品が違うレーベルから出るというのも異例でしょうが、それも彼女たちの特殊な愛され方を物語るかのよう。ポップソングは永遠なのかどうか、その答えはここに記録されています。