CANDIDO 『Dancin' & Prancin'』 Salsoul/OCTAVE(1979)
キューバ出身のラテン・パーカッショニストのサルソウル第1弾。スムースでダンサブルな表題曲に、ガラージの名曲“Jingo”、現代ハウスとしても通用しそうな“Thousand Finger Man”など、打楽器の連打にシンセやコーラスが絡み合って生まれたトライバルなグルーヴが身体を揺さぶる。*林
SKYY 『Skyy』 Salsoul/OCTAVE(1979)
7枚ものLPを残す勢いで、後期サルソウルの代表格となったNYのバンド。仕掛人たるランディ・ミューラーの手捌きは外せないものの、この初作ではリーダーのソロモン・ロバーツが書いたPコンシャスなナンバーとのバランスがポイントか。ドダイYSに乗ったようなジャケも凄い。*出嶌
INSTANT FUNK 『Instant Funk』 Salsoul/OCTAVE(1979)
バニー・シグラーに見い出されたフィリー出身の大型ファンク・バンド。もともとTNJ'sを名乗り、かの地一帯では広く知られた存在だったようだ。ただファンク・バンドと言っても、サルソウルが期待したのは彼らの若々しいしなやかな感性で、それは“I Got My Mind Made Up”で見事炸裂。*JAM
CANDIDO 『Candi's Funk』 Salsoul/OCTAVE(1979)
50年代から活躍するパーカッショニストとシリアスで情熱的なディスコ・アルバムを作ることは、サルソウルにとってひとつの理想だったのかもしれない。それほどこの作品の仕上がりは非の打ちどころがなく、レーベルの核心がこれほど剥き出しになったものは珍しい。名盤である。*JAM
LOLEATTA HOLLOWAY 『Love Sensation』 Gold Mind/OCTAVE(1980)
ディスコ史上屈指のディーヴァによるサルソウルでの4枚目(結果的にはラスト作に……)。ダン・ハートマン渾身の表題曲は以降の彼女がハウスのフィールドで魅するスタイルの雛形に。ノーマン・ハリスからボビー・ウォマックまで、制作者の振り幅がそのまま歌唱の器の大きさを示す。*出嶌
AURRA 『Aurra』 Dream/OCTAVE(1980)
前面に立つのは女性のスターリナ・ヤングと男性のカート・ジョーンズだが、デビュー当時のユニットの実体はスレイヴを脱退したばかりのスティーヴ・ワシントン率いるファンク・バンドだったと言っていい。従って、飛び出す音は限りなくスレイヴに近く、重厚かつ華美、そしてドス黒い。*JAM
INNER LIFE 『Inner Life』 Salsoul/OCTAVE(1981)
プレリュード〜サルソウルとNYの黄金レーベルを渡ったジョセリン・ブラウンをリード・シンガーに据える、グレッグ・カーマイケル&パトリック・アダムスによるスタジオ・プロジェクト。81年当時の良質なNYスタイルのダンス・サウンドをまさに総覧するような一品。*JAM
SKYY 『Skyy Line』 Salsoul/OCTAVE(1981)
No.1ヒット“Call Me”を収録した4作目。女性2人を含むなど、実に多様な側面を持つバンドだが、いちばんの個性はランディ・ミューラーが作り出すハード・ドライヴィングなプロダクション。ブラス・コンストラクションと対で突き進んだ彼のファンカティアぶりを堪能してこそのスカイだ。*JAM
EDWIN BIRDSONG 『Funtaztik』 Salsoul/OCTAVE(1981)
70年代初期からポリドール〜フィリー・インターでアルバムを発表しているLA出身のキーボーディスト。ビッグ・ヒットに恵まれなかったため評価は追い付かないが、そのファンカーぶりはハンパなし。その尖がり具合がもっとも打ち出されたのが本作だ。最高のクールネス&ヘヴィネス。*JAM
AURRA 『Send Your Love』 Salsoul/OCTAVE(1981)
傘下のドリームに続いてサルソウル本体から出された通算2作目。スレイヴを脱退したスティーヴ・ワシントンのプロデュースで、“Nasty Disposition”のようなボトムがヘヴィーでダンサブルなファンクはスレイヴ譲りだが、表題曲などでの爽快なアーバン感覚はサルソウルならではだろう。*林
INNER LIFE 『Inner Life II』 Salsoul/OCTAVE(1982)
サルソウルでの2作目はスタン・ルーカスのセンスが全面に発揮された充実作。“I Like It Like That”やグレッグ・カーマイケル&リロイ・バージェス制作“Moment Of My Life”などでの重厚かつシャープなダンス・サウンドが清々しい。今作でもジョセリン・ブラウンがパワー・ヴォイスで快唱。*林