生楽器やヴォイス・サンプルを交えたオーガニックなプログレッシヴ・ハウス~ミニマル・テクノが世界的な評価を受け、デビュー作『From Here We Go Sublime』でいきなりブレイクしたフィールドことアクセル・ウィルナー。バトルスのジョン・スタニアーを招いた2作目『Yesterday & Today』以降はより生音志向のバンド・スタイルへ移行し、ポスト・ロックやドリーム・ポップ好きにもリーチしてきた彼が、4枚目のフル・アルバム『Cupid's Head』をリリースした。初作以来の単独制作を行い、かつハードウェアのみで完成させたという本作は、やや遅めのBPMと徹底したミニマリズムによって、基盤であるループ・ミュージックとしての強度を浮き彫りに。別名義のループス・オブ・ユア・ハートでアプローチしたクラウトロックにも近い冷ややかなアンビエンスと、聴き手をダンスに帰結させるワイルドな肉体性が、抜け出すことのできない恍惚感を導いてくれる。
▼フィールドの作品。
左から、2007年作『From Here We Go Sublime』、2009年作『Yesterday And Today』、2011年作『Looping State Of Mind』(すべてKompakt)