新境地を拓くオリジネイター
〈iconoclastic(因習打破的な)〉をもじったアーティスト・ネームを持つロンドン出身のDJ/トラックメイカーは、その名に違わず〈ダブステップ+8ビット・サウンド〉という型破りなスタイルでシーンに登場。かつ、ダブステップ界で最初の女性クリエイターという肩書き(?)も有している。2008年より数枚の12インチを送り出したのち、マドンナとゲーム音楽にインスパイアされたという初のアルバム『Contact, Want, Love, Have』(2010年)をリリース。ここではデトロイト・テクノ風のコズミックなサウンドスケープに素朴な電子音をまぎれ込ませ、壮大でありながらどこかキッチュな音世界を構築。ブリアル、コード9、キング・ミダス・サウンドとダークなムードを湛えていたそれまでのハイパーダブ作品のなかでも異彩を放っていた。また、その次のステップとなる2013年作『Aerotropolis』では〈80s〉に着目してシカゴ・ハウスにアプローチ。ジェシー・ランザを迎えた初のヴォーカル・トラックをはじめ、オールド・スクールなテイストに彼女らしいユーモアをまぶし、ファンキー&ダンサブルなベース・ミュージックへとアップデートしている。
▼IKONIKAの作品。
左から、『Contact, Want, Love, Have』、『Aerotropolis』