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Hyperdub10 

10年の歴史を彩った作品の数々と、多種多様でハイパーな顔と顔と顔!

連載
360°
公開
2014/01/08   17:59
更新
2014/01/08   17:59
ソース
bounce 362号(2013年12月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/土田真弓、出嶌孝次


『5 Years Of Hyperdub』(2009)

過去のカタログと新曲を集めた2枚組の5周年記念コンピ。ゾンビーやマーラ、フライング・ロータスら豪華なメンツと共にLVやアイコニカ、クーリーGの名も並ぶ。この時点ではコード9とブリアルしかアルバムを出してなかったわけで、以降の野心的なリリース攻勢は本作を起点に始まったとも言えるか。*出嶌

 

DARKSTAR 『North』(2010)

シングル“Need You”でのレーベル入りから2年、時代がポスト・ダブステップという傾向に移ろうなか、ロンドンの若者たちが仕上げた初のアルバム。ブリアルの色を挿したエレポップの響きは、無機質の底からメランコリーをもどかしく描き出す。バンドに発展してワープへ移籍したのは必然だったのかも。*出嶌

 

『Hyperdub vs. 3024 -Exclusive Mix For Japan』(2010)

コード9とマーティンのジョイント来日に合わせて登場した、両名が各レーベル音源を用いての日本限定ミックスCD。コード9は同年に獲得したDVAやテラー・デンジャーを早速投入し、変貌を遂げたベース音楽の前線を現出。カイル・ホールのハイパーダブ音源“You Know How I Feel”の使用もポイントだ。*出嶌

 

DEAN BLUNT & INGA COPELAND 『Black Is Beautiful』(2012)

かの映像作家から拝借した(?)ハイプ・ウィリアムズ名義で知られ、ハイパーダブにもEPを残す謎の男女コンビ。過去作ほどミュージック・コンクレート的にはならずヘンテコながらもリズミックで、インガの歌もどこか親しみやすさスレスレの空気を放つ。以降もヒッポス・イン・タンクスなどで活躍中だ。*出嶌

 

COOLY G 『Playin' Me』(2012)

契約後の初シングル“Narst”(2009年)から絶大な期待を集めた、ブリクストン出身の歌うプロデューサー。UKファンキー文脈からアフロ〜カリブにまで繋がる新型の幻惑ハウスがクソ格好良い! 憧れのカリズマと共演も果たした本作後の露出はそう多くないが、コーラルレイヴンのリミックスを手掛けたばかりだ。*出嶌

 

LV 『Sebenza』(2012)

南ロンドンのプロデューサー・トリオが南アフリカのMCたちと作り上げたトライバルで濃密な快作。ファンキー方面からのアプローチとも言えるが、クワイトの刺激に端を発するようなリズムの冒険は、ロンドンから南アを経由してアーバン・ダークな秘境へ。この謎めいたヴァイブもハイパーダブならでは。*出嶌

 

WALTON 『Beyond』(2013)

2011年のデビューEPにてハイパーダブ入りしたマンチェスターの若き才能、サム・ウォルトン。その手捌きはインダストリアルの硬質さを持ち込んだベース・ヘヴィーなテック・グライムという印象で、このアルバムにも単純に90年代的とは形容し難いソリッドなテクノ感覚が横溢している。今後も期待したい! *出嶌

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