NO MUSIC, NO LIFE.

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山田洋次×坂本龍一

2015年11月-2016年1月

「歌を忘れたカナリアは…」という童謡が昔あったけど、今の日本人は歌うことがない。
更に云えば歌うことを奪われていると思う。
ぼくたちは自分の歌をうたうことをとり戻さなくてはならない。

山田洋次


約1万年前まで、人間は長い定常状態のなかで暮らすことが多かった。その遺伝子は今でもぼくたちのなかに受け継がれている。
しかし現代、特に20世紀以降、社会環境、自然環境、おまけに気候まで常に変動するなかにぼくたちは置かれている。
体や心にいろいろな不具合が生じるのも当然だ。
音楽は必ずぼくたちの思考や心から生じるので、そのような激変に常にさらされていることは
音楽に大きな影響を与えるだろう。
そのなかにあって常に変わらぬものを求めることも、また音楽なのである。

坂本龍一/音楽家