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私の「1970年代のワイルドサイド」(オンライン)

ロックにとって創造と激動の60年代を経て、70年代はハード、グラム、プログレ、パンクなどへ細分化していき、それらのカウンターとして実に突飛でユニークな音楽も多数生まれました。実にイロトリドリで、ロックがより奥深いものとなった70年代。その王道に対するリアクションとNOの精神、影や裏道こそ、私にとってかけがえのないものばかり。多様化し逆に空虚になっていくこのBLANK GENERATIONに異様な憧れを抱くのです。所謂70年代洋楽名盤とは異なる、大クセながらシンプルに愛すべき我が永遠の作品。THIS IS 70年代 異形の産物。BREAK ON THROUGH (TO THE OTHER SIDE)で是非ライドンしてみて下さい。

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オンライン/巻本
コンプリケイションにシェイクダウンする大名盤『VISITORS』とタメ。地球に落ちてきた男とワイルドサイドを愛します。

 

ブルー・ジーン・ティラニー『Out of the Blue』

〈永遠にこの曲の中に居たいと思う至極のアンサンブル〉ジョン・ケージやストゥージズとの仕事でも知られるアヴァンギャルド・コンポーザー/ピアニストの"ブルー"ジーン・ティラニーが、77年にUSの前衛レーベル〈LOVELY MUSIC〉から発表した美しき前衛ポップ大名盤。ヴェルヴェッツ好きKOのギター/シンセ/ホーンに親しみやすいフィメール・ヴォーカルが紡ぐ、哀愁のグッドメロディによる極上グルーヴの浮遊ポップ超名曲①(この1曲だけで買い!)から、テリー・ライリー級のミニマムリズム、捻りの効いたファンクネスに、アブストラクトな音響マジックまで。普遍的な魅力とアヴァンギャルドな実験性とが絶妙なバランスで成り立つ逸品。200点!


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Chuck Senrick『ドリーミン(PS)』

〈名も無きバーのピアニストによるキュート過ぎるDIYメロウ傑作〉発掘&編集の名門レーベル〈Numero〉コンピにも発掘された究極のヨット・ロック最深部にして謎めいた米国の音楽家=チャック・センリックが76年に残した激レア自主制作盤。これが超ローファイながら極上のメロウネスを持ち合わせたオブスキュアAORの大名盤!宅録低予算ゆえのドンカマ(ローランド社製リズムボックス)に、ジェントルな歌声とエレピとが浮遊する無意識的サイケデリック感が超絶キモチいい!天性のメロディセンスと愛すべき甘く癒しの歌声とが、ピュアなDIY音楽表現に奇跡的に溶け込む隠れた名作。アーサー・ラッセルの唄モノやダニエル・ジョンストン好きは要チェックです。


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J.Jasmine『マイ・ニュー・ミュージック(+1/LTD/PS)』

〈演劇的なヴォーカルと摩訶不思議なサウンド実験〉70年代初期から自身の“ヴォイス”を駆使したユニークなアプローチによって録音/舞台/視覚の分野にまたがって活躍したアーティスト=J・ジャスミンの78年作。作詞/作曲/歌をジャスミンが担当し、ピアノ/エレクトリック・ミュージック・ボックス/オルガン/ヴァイオリンなどの音楽を手掛けるのはアメリカ実験音楽シーンを代表する巨匠デヴィッド・ローゼンブーム!自由奔放でシアトリカルなヴォーカルと、ミニマル・ミュージックによるユニークな音空間、縦横無尽なピアノ乱打や謎の楽曲展開など、多くの実験的なアプローチの中にもポップな要素を散りばめた異色すぎるシンガー・ソング・ライター傑作。


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Peter Ivers『ピーター・アイヴァース(LTD/PS)』

〈陽気なサウンドの中に垣間見る異端のスリル〉坂本慎太郎氏のフェイバリットでも知られるカルトなシンガーソングライターの最高峰ピーター・アイヴァースの76年発売の3作目(名作2NDは現在入手困難...)。その特異さを決定づける中性的なヴォーカルによる、異形ながらも自由奔放で音楽愛あふれるピュアな歌心と音楽センス。初期作品ではヘビーなサイケデリアを描いていた彼が、その特異な才能をレゲエやファンクといったフィルターを通過させて更に捻じ曲げポップに描き上げた逸品。前衛ブルースがグルーヴィーに踊る①など、本作では西海岸の腕利きスタジオ・ミュージシャンを起用。ハスキーな歌声の歌姫カーリー・サイモンとのデュエットも最高です。


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Linda Perhacs『Parallelograms(UK)』

〈濃霧に覆われた幽玄のサウンド・スケープ〉名も無き歯科衛生士リンダ・パーハクスが70年に残したUSフィメール・アシッド・フォーク大名盤。幾重にも重ねられた朝靄の如きエコーサウンドと、アコギのアルペジオの中を繊細に揺らぐヴォーカルとが描く浮世離れした幽玄なる音世界。長らくサイケ・ファンの中で伝説的カルトアルバムとして語り継がれ入手困難な状況が続くも、2014年にデヴェンドラ・バンハートの支えもあり44年振り奇跡の2作目を発表(2017年には3作目も!)、 その孤高の存在感を現代にも見せつけ本作もめでたく再発!白昼夢の如きジャケ写の様に、全ての原風景を夢幻の世界へ誘う奇跡的名盤。アシッド・フォーク初体験にもオススメ。


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Can (Rock)『Tago Mago <Orange Vinyl>(LP)』

〈甘美で気品のある浮遊感と快楽のグルーヴ〉プログレッシヴ・ロック、フリージャス、民族音楽に、現代音楽など多彩な要素を取り込んだクラウト・ロックの象徴的バンド=カンの71年作にして、バンドの音楽性を確立した大名盤。70年代初期において圧倒的に少ない音数、反復するビートと大胆な音響処理による浮遊感あふれる音像を掲示し、後半ではインストゥルメンタルな音楽的背景が反映された実験色の強いサウンドを展開。このドイツならではの独創的かつ無機質なサウンドとパーカッシヴなグルーヴ、ループする快楽の美学はロックの可能性を拡張し、レディオヘッドやゆらゆら帝国をはじめ後世の先鋭アーティストに多大な影響を与えた。いつ聴いてもクール!


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The Contortions『バイ(PS)』

〈その男凶暴につき、気い狂て〉70年代NYノーウェイヴを象徴するサックス奏者ジェームス・チャンス率いたコントーションズの79年の歴史的名盤。タイトでグルーヴィーなリズム隊に、はみ出す鋭いギターカッティング、そして場外乱闘なジェームス・チャンスの暴れうねり狂うサックスと叫び。パンクの終幕、商業的なロックに対するカウンターとして既成概念をド返しし、フリージャス/前衛音楽/ファンク/ディスコ/ノイズをごった煮にしたキレキレ&キワキワのサウンドは、ヴェルヴェッツに始まるNYという土地のアンダーグラウンドなイメージと反抗の精神を永遠に決定づけた。THIS IS NO WAVEなMADなサックスとMAXに乾き切ったギターが聴けます。BUYです。


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Tim Buckley『Starsailor(LP)』

〈美しくも悲痛な叫びに彩られた問題作〉天使の歌声と評されるジェフ・バックリーの父親にして、70年代で最もクリエイティヴィティを追求し続けた孤高のシンガー・ソング・ライターであるティム・バックリー。70年リリースの本作はその唯一無二の独創性と貪欲なサウンド追及を爆発させ、オーネット・コールマンやアルバート・アイラーなどのフリージャズ表現と歌モノがシンクロした画期的かつ鮮烈なクロスオーヴァー・サウンドを展開。彼のディスコグラフィーの中でも群を抜いて雑食性にあふれ、振り切れた音楽表現が光る圧巻の黙示録にして最高傑作。SSW、アシッド・フォーク、フリージャズ、プログレ好きをも魅了する怒涛のサイケは、息子好きも必聴!


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Os Mutantes『A Divina Comedia Ou Ando Meio Desligado(LP)』

〈万華鏡的サウンド・コラージュによるブラジル音楽の奇跡〉1960年代末に勃興したブラジルの自由主義的芸術運動="トロピカリア・ムーヴメント"の旗手としてカエターノ・ヴェローゾらと共に活躍したブラジリアン・ロック・バンド=ムタンチスの70年発表3作目にして最高傑作。フラワー・ムーブメントに呼応する色鮮やかな表現が屈折した個性に転化され爆発。『サージェント・ペパーズ』が生んだ子供達でありながら荒く不穏で宗教的で土着的。オーケストレーションを多用した前2作とは異なり、バンドサウンドを全面に押し出し、プログレッシヴな展開やサイケデリックな音響など雑食サウンドが炸裂するミステリアスな名盤。この個性こそブラジル音楽の面白さ!


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Various Artists『Those Shocking Shaking Days(LP)』

〈迸る熱量による謎多き辺境グルーヴの宝庫〉世界中の埋もれた辺境音楽を発掘&編集するレーベル〈NOW AGAIN〉による70年代インドネシアのレア・グルーヴを凝縮したナイス・コンピ。ジミヘンやピンクフロイドへの憧れを写したかのような荒々しいサイケデリック・ロック、PファンクやJBに勝るとも劣らない土着的な特濃ファンク、日本人の心に染み入る東洋音階によるオリエンタルなモンド歌謡などなど、突然変異で多種多様な激ヤバサウンドとB級感あるキャラクターが渾然一体となり、当時のインドネシアの若者達の熱いエネルギーとパッションをビシビシ浴びせてくれる逸品。異国の当時のムードをバッチリ伝える、誰やねん!なローカル・バンド達の写真を多用した豪華ブックレット&装丁もナイスです。


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タグ : タワレコ名盤セレクション

掲載: 2020年06月05日 13:13