「名作コンシェルジュ」掲載!ホロヴィッツ『1965年カーネギー・ホール ヒストリック・リターン』
2024年7月14日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に掲載されました
巨匠12年ぶりのステージ ピアニズム、新たな領域へ (鈴木淳史氏評)
ウクライナ出身の20世紀の大ピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツ(1903~1989)が12年の長いブランクを経てステージに立った歴史的な復帰公演のライヴ『1965年カーネギー・ホール ヒストリック・リターン』が2024年7月14日(日)日経日曜版の鈴木淳史氏による名物コラム「名作コンシェルジュ」で紹介されました。
鈴木氏はステージ復帰の経緯を「ホロヴィッツは、アメリカ・デビュー25周年を記念した1953年のリサイタル以降、人前で弾くことをやめてしまう。鬱状態からようやく出口を見つけたときは、長い歳月が流れていた」と紹介。「1曲目のバッハ「トッカータ、アダージョとフーガ」は、どこか戸惑いを感じさせるように始まる」ものの、「音楽がアダージョに入ると、持ち前の恥美的な音色が会場を支配。魔法の使い手は健在だった」と解説。「シューマンの「幻想曲」は、バッハ作品に続く流れで、その対位的な表現を前面に打ち出す」「ショパンのマズルカ第21番、エチュード第8番は洒脱だ。達観したような心地よさも。そして、バラード第1番は、テンポを揺らし、パッションも渦巻く。プログラム最後を飾るにふさわしい熱演だ」とし、充実の演奏内容を紹介。アンコールでも「ブランク前のリサイタルでは、度肝を抜くような効果抜群の曲を必ず入れていた」が、このリサイタルでは「もっと落ち着いて音楽に向き合うピアニストの姿がうかがえる」とし、「ホロヴィッツのピアニズムは、新たな領域へと足を踏み入れたのだ」と結んでいます。
(タワーレコード)
ウラディミール・ホロヴィッツ
【曲目】
[Disc1]
1.バッハ/ブゾーニ編:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564
2.シューマン:幻想曲 ハ長調 作品17
[Disc2]
3.スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番 作品68「黒ミサ」
4.スクリャービン:詩曲 嬰ヘ長調(嬰ニ短調) 作品32-1
5.ショパン:マズルカ第21番 嬰ハ短調 作品30-4
6.ショパン:練習曲第8番 ヘ長調 作品10-8
7.ショパン:バラード第1番 ト短調 作品23
8.ドビュッシー:人形へのセレナード(「子供の領分」より)
9.スクリャービン:練習曲 嬰ハ短調 作品2-1
10.モシュコフスキ:練習曲 作品72-11
11.シューマン:トロイメライ
【演奏】
ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)
【録音】
1965年5月9日
ニューヨーク、カーネギー・ホール(ライヴ)
カテゴリ : Classical
掲載: 2024年06月10日 00:00