話題のゲルギエフ&ロンドン響に新たな名演の登場~ブラームス:ドイツ・レクイエム
シマノフスキとの対比演奏で話題となったゲルギエフ&ロンドン響のブラームス・チクルスに、ドイツ・レクイエムが登場します。充実の時代を迎えているコンビの今を伺い知るのにまたとない内容です。
2012/13年のシーズンに、ゲルギエフはロンドン響を指揮してブラームスとシマノフスキの作品を対比上演するという意欲的なシリーズで話題を集めましたが、このたびLSOLiveに登場するブラームスの「ドイツ・レクイエム」は、2013年3月30日と31日に、シマノフスキの「スターバト・マーテル」(LSO0739)に続いて、後半に演奏されたプログラムになります。
ゲルギエフにはロッテルダム・フィルを指揮した「ドイツ・レクイエム」のライヴ映像作品がすでに知られており、2008年5月25日におこなわれたこのときの模様は、1995年よりこの年まで13年に亘るゲルギエフの首席指揮者時代を締め括る最後のコンサートということもあってでしょうか。たいへん熱のこもった指揮ぶりと並んで、世界最高峰と称されるスウェーデン放送合唱団の高水準の仕上がりがひときわ記憶に残るものでした。
いっぽう、ロンドン響との新盤でも、相変わらず声楽陣の優秀さが光ります。1966年にロンドン響の仕事を補完するために結成され、ロンドン響とのこれまでのレコーディングでも数多くのパワフルな演奏を聴かせてきたロンドン・シンフォニー・コーラスを率いるのは、当代超一級のコーラス・ビルダーとして知られるサイモン・ハルジー。精緻で妙なるハーモニーはまさに、このひとならではのなせるワザといえます。
ともに英国出身のソリストのふたりも的を射たキャスティング。LSOLiveではおなじみのマシューズは、凛とした歌声がたまらなくチャーミング。リートに声楽曲、オペラと実績を積むマルトマンは、知的で濃やかな性格表現に長けていることをここでもあらためて強く印象付けています。
ゲルギエフ率いるロンドン響による「ドイツ・レクイエム」は、就任以来7シーズン目に入った首席指揮者のもとで、あらたな充実の時代を迎えている楽団のいまをうかがい知るのに、またとない内容といえるでしょう。SACDハイブリッド盤。
(キングインターナショナル)
【収録曲】
ブラームス:ドイツ・レクイエム op. 45
【演奏】
サリー・マシューズ(ソプラノ)
クリストファー・マルトマン(バリトン)
ロンドン交響合唱団
サイモン・ハルジー(合唱指揮)
ロンドン交響楽団
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
【収録】
2013年3月30&31日 ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
エンジニア:ニール・ハッチンソン&ジョナサン・ストークス
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2014年03月13日 15:00