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世界初CD化!あたたかなヴァイヴに満ちたミュリエル・ウィンストン75年作

ミュリエル・ウィンストン

ついにこの作品の復刻がかないました。〈Strata-East〉のアルバムですが、美しいジャケットが示すとおり、アフロやモーダル、ファンクや前衛とは別の魅力を持った名盤です。

主役はヴォーカルとピアノのミュリエル・ウィンストン。録音時はすでに母であった黒人女性アーティストによる唯一の作品です。彼女の女性的な力強さや繊細さ、美的センス、人類と世界への祈り、といったものがストレートに表現されています。子供たちと家族へのこぼれんばかりの愛情も。

アレンジと音楽的サポートを担当したのがビル・リー。スパイク・リーの実父としても有名な、シーンを代表するベーシストです。バッキングには〈Strata-East〉の主幹であるスタンリー・カウエル(p)に名手ビリー・ヒギンズ(ds)。クリフォード・ジョーダンが珍しくフルートで参加しているのも聴き所です。でも主役は何といってもミュリエルでしょう。素朴ながら気持ちのこもった歌唱はあたたかな情感が溢れだすようです。ゴスペルやルーツに根差した力強さも。何曲かで加わる子供たちのコーラスがまた可愛らしくあたたかい。これ以上多幸感に満ちたジャズがほかにあるでしょうか。

華飾を排した演奏は質素でシンプルです。子供たちのコーラスとともにトラッドからスウィング・ジャズへと移る冒頭の“Children's Trilogy”はアルバムを代表するナンバー。“Sing Chillun Sing”もユーモラスなチャイルド・ソング。“A Song To Everyone In The World”はファンキィなソウル曲です。アルバムB面はすべてタッド・ダメロンのビバップ名曲のヴォーカライズ。名バラッド“Soul Trane”もいいですが、ボサノヴァ・タッチにアレンジされた“I'm Never Happy Anymore”が白眉です。後半のラララ・コーラスの楽しさと躍動感といったら!

◎世界初CD化
◎初回限定生産
◎オリジナル・ジャケットを再現したA式紙ジャケットW仕様
◎『Independent Black Jazz Of America』掲載商品
◎監修・解説:尾川雄介(universounds)

【パーソネル】
Muriel Winston: Vocal, Piano
Stanley Cowell: Piano
Bill Lee: Bass
Billy Higgins: Drums and Percussion
Clifford Jordan: Flute
And Children's Chorus

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ジャズ復刻&発掘 リイシュー

掲載: 2014年04月22日 13:07

更新: 2014年04月22日 13:07