ウディ・ショウ、絶頂期の貴重未発表ライヴ音源
ジャズ史上屈指のトランペッター、ウディ・ショウの凄まじい音圧!溢れ出るブラック・スピリチュアリティ!ジャズの歴史と世界の音楽を呑み込むHipなグルーヴが満載!熱気が迸る未発表ライヴ音源!
1944年生まれのショウは、リーダー作として初の作品『Blackstone Legacy』を録音した70年の時に25歳。クロスオーヴァー/フュージョンが世の中を席巻していく時代に、活動の中心時期を迎え、世間的には、過小評価に甘んじている感も否めないものの、トランペッターとして、マイルス・デイヴィス、フレディ・ハバードと共に重要なアーティストと言ってまったく過言でないでしょう。
この音源は、そんなウディ・ショウの絶頂期の演奏を捉えた一枚!!
エリック・ドルフィーの誘いでヨーロッパにわたったものの、ドルフィーは客死してしまい共演果たせず、その後、帰米。ホレス・シルヴァーの名作 『Cape Verdean Blues』, 『The Jody Grind』ほかラリー・ヤングの『Unity』に参加した60年代を経て、70年代は、ショウにとって、アーティスティックな面でも商業的な意味でも充実した時代ですが、スタジオ録音で見せるディープなオーラと共に、ライヴにおけるエネルギッシュな演奏は正に圧巻そのものです。
特に、この76年3月と言えば、ヘイズ~クック(そしてショウの)クインテットの誕生間もない時期のもの。のちにこのメンバーでは、傑作と名高い『Ichi-Ban』を生みだしますが、それ以前の素の姿が記録されたライヴ演奏が陽の目を見るという意味で歴史的にも貴重です。
しかもこのライヴでは、スタジオ作品の『Ichi-ban』に比べ、ハード・バップを経たモーダルな演奏と、新主流派を経た60年代末/70年初頭のカオスな時代を通過した、時代性も色濃い演奏。言うまでもなく、フロントの相方ジュニア・クック、ドラマーのルイス・ヘイズは、ホレス・シルヴァーのバンドの先輩アーティストであり、黄金のクインテットのメンバーたちでもありますが、ここではウディ・ショウの強力無比/唯一無二な魅力であるブラックなスピリチュアリティがギッシリと詰まったところもあまりにも魅力的です。そして、この時期を経て、ショウはコロムビアと契約を結び、作品をリリースしていくのです。
しなやかかつ強靭なドラミング、ドライヴしまくるベース、モーダルなピアノ、それらのフロントで刃のように鋭く、火の粉を散らすような熱いソロを繰り広げるウディ・ショウ、そしてコルトレーンの姿も垣間見せるジュニア・クック。一分の緩みもないクインテットは、間違いなく、この時代の最強のものの一つ、といえます。
ポップかつコマーシャルな音楽が溢れるなかにあって、それらのシーンにまみえることなく、気骨溢れ、矜持を見せたアーティストの記録!74年作品のタイトル曲ともなったオープニング曲「The Moontrane」から、ラストまで最高潮の演奏が続きます。
ウディ・ショウ / ザ・ツアーvol1 1976 シュトゥットガルト
収録曲:
1. The Moontrane (W. Shaw)
2. Obsequious (L. Young)
3. Book’s Bossa (W. Booker / C. Walton)
4. Ichi-Ban (R. Mathews)
5. Sun Bath (P. Stern)
6. Invitation (B. Kaper / P. Webster)
Recorded live at the Liederhalle Mozartsaal, Stuttgart on March 22,
メンバー:
Woody Shaw (tp), Junior Cook (ts), Ronnie Mathews(p), Stafford James(b), Louis Hayes (ds)
<国内盤仕様盤>
ウディ・ショウIII(ウディ・ショウご子息)のライナーノーツ全訳掲載!