最強部隊“サバトン”の8作目スタジオ・アルバム『ザ・ラスト・スタンド』完成
魂を鼓舞するヘヴィ・サウンドで、現代メタル・シーンにおいて最も熱狂的な支持を得ている最強部隊がサバトンだ。母国スウェーデンで毎年開催される、自らの名を冠した『サバトン・オープン・エア』フェスを筆頭に、彼らは世界中のライヴ会場に旋風を巻き起こしてきた。日本でも『ラウド・パーク15』で初来日ライヴが実現。ステージ上に戦車を据えて繰り広げられた壮絶なパフォーマンスは、新時代のメタル・ヒーローの登場を告げるものだった。
世界的な注目の中、彼らが世に問うのが最新スタジオ・アルバム『ザ・ラスト・スタンド』だ。雄壮なメタルに乗せて古今東西の戦争を描き、“ウォー・メタル”の異名をとるサバトン魂は、本作においても健在だ。古代ギリシャの勇敢なるスパルタ軍を讃える「スパルタ」から始まり、第1次・第2次世界大戦や14世紀スコットランド、16世紀のローマ略奪などが題材とされているが、初めて日本の歴史的事件がテーマとなっている。
「SHIROYAMA」は明治10年(1877年)の西南戦争の最終章である城山の籠城戦を歌っており、西郷隆盛と旧士族たちの“サムライの最後の戦い”とひとつの時代の終焉を描写している(歌詞にも“SAIGO=西郷”が登場する)。アップテンポの鮮烈なリフとメロディ、鮮烈なコーラスを持つこの曲はサバトンの新しいテーマ曲と呼ぶに相応しく、来たるべき再来日公演のライヴ会場で大きな声援が湧き上がるであろう。さらに「ロークズ・ドリフト」では1879年、南アフリカでのイギリス軍とズールー王国によるローク砦の戦いを描くなど、その世界観は欧米戦線のみならずアジアやブラック・アフリカにも拡がっていく。各曲の題材となった戦いは以下の通り。
1. スパルタ : BC480 テルモピュライの戦い(スパルタ対ペルシア)
2. ラスト・ダイイング・ブレス:1914-1918 ベオグラードでの戦い
3. ブラッド・オブ・バノックバーン:1314 バノックバーンの戦い(イングランド対スコットランド)
4. ダイアリー・オブ・アン・アンノウン・ソルジャー:1918 ムーズ・アルゴンヌ攻勢
5. ザ・ロスト・バタリオン:1918 ムーズ・アルゴンヌ攻勢
6. ロークズ・ドリフト:1879 ズールー戦争 ローク砦の戦い
7. ザ・ラスト・スタンド:1527 神聖ローマ帝国によるローマ略奪
8. ヒル 3234:1988 アフガニスタン・3234高地の戦い
9. SHIROYAMA:1877 西南戦争・城山の戦い
10. ウィングド・ハザーズ:1683 第二次ウィーン包囲 ポーランド軽騎兵隊
11. ザ・ラスト・バトル:1945 第二次世界大戦 イッター城の戦い
そんな本作には盟友たちが共鳴。ジョン・シェイファー(アイスド・アース)が「ダイアリー・オブ・アン・アンノウン・ソルジャー」でナレーション、ヨナス・キェルグレン(スカー・シンメトリー/カーナル・フォージ)がマスタリングを担当、「ブラッド・オブ・バノックバーン」のバグパイプでゲスト参加している。それに加えて1980年代からトーチ、マーシーを手がけるなど、スウェーデンのメタル界の古参プロデューサーであるトーマス・スンモが「ブラッド・オブ・バノックバーン」でハモンド・オルガンを弾いているのも注目だ。
新旧メタル連合軍による総力戦が繰り広げられる『ザ・ラスト・スタンド』は、世界中のファンに参戦をうながす召集令状なのだ。
初回限定盤にはカヴァー2曲を収録。ジューダス・プリーストの「オール・ガンズ・ブレイジング」とスタン・リッジウェイ「カモフラージュ」がサバトンの魂を注入されて生まれ変わっている。
ボーナスDVDに収録されているのは2016年2月24日、フランスのナント『ステレオルックス』で1,200人を前にした貴重なクラブ・ギグだ。小規模会場ながら戦車を持ち込み、屋根が突き抜けそうなステージ・パフォーマンスは、 既発タイトル『ヒーローズ・オン・ツアー』の野外フェスとまた異なった、観衆への至近距離からの連打を繰り出している。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2016年08月22日 14:45