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ムーティ&シカゴ響の最新録音は戦慄的なショスタコーヴィチとシェーンベルクの合唱作品

ムーティ

シェーンベルクの「コル・ニドライ」は1938年の作で、英訳されたユダヤ教のタルムードによる語り手、合唱とオーケストラのための作品。14分ほどながら、ボルテージの高い音楽が繰り広げられます。
注目はショスタコーヴィチの「ミケランジェロの詩による組曲」。ミケランジェロ生誕500年を記念すべく作曲、ショスタコーヴィチ最晩年、彼最後のオーケストラ作品となりましたが、その初演を作曲者は聴くことができませんでした。もともとは交響曲第16番として構想された演奏時間40分を超える大作で、交響曲第13番「バビ・ヤール」や第14番「死者の歌」と同形態ながら、歌曲に分類されるためか演奏される機会は多くありません。
この作品も死をテーマとし、最晩年のショスタコーヴィチならではの人間業とは思えぬ技巧と境地で、冒頭からオーケストラの深い世界が広がります。全体を貫く緊張感、ドラマチックな表現はムーティの真骨頂、まさに「交響曲第16番」としての風格と存在感で感動させられます。ショスタコーヴィチ・ファン必聴の演奏と申せましょう。
バス独唱はイルダール・アブドラザコフ。ゲルギエフ指揮のヴェルディの「アッティラ」をはじめとするオペラで大活躍しています。彼は2005年にノセダ指揮BBCフィルと録音(シャンドス盤)していますが、7年を経てさらに解釈に深みが加わりました。
ロシア語訳されているとはいえ、ミケランジェロはイタリアの美術家にして詩人。ムーティにとって自国の偉人の作だけに深い理解と愛着も加わり、誰にも真似できぬ理想的な世界を創りあげています。
(キングインターナショナル)

【収録曲目】
シェーンベルク
コル・ニドライ Op.39~語り手、合唱、管弦楽のための
ショスタコーヴィチ
ミケランジェロの詩による組曲 Op.145a*
【演奏】
リッカルド・ムーティ(指揮)
シカゴ交響楽団
シカゴ交響楽団合唱団
アルベルト・ミズラヒ(語り手)
イルダール・アブドラザコフ(バス)*
【録音】
2012年3月、6月*、シンフォニーセンター・コンサートホール、ライヴ

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2016年10月18日 00:00