巨匠ネーメ・ヤルヴィによる新録音『ステーンハンマル作品集』(SACDハイブリッド)
19世紀末から20世紀初頭、
スウェーデン音楽の中心的人物となった
ステーンハンマルの作品集を
巨匠ネーメ・ヤルヴィが振る!
SACDハイブリッド盤。ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927)は、19世紀から20世紀の変わり目の時代、スウェーデンでもっとも重要な作曲家のひとりでした。ピアニスト、指揮者としても尊敬を集め、彼が作曲した2曲のピアノ協奏曲と交響曲、6曲の弦楽四重奏曲、歌曲、管弦楽をともなう大規模の合唱曲といった作品は、人々から広く愛されてきました。彼の作曲する音楽は、和声の独創性以上に旋律の個性が際立っていることから、ステーンハンマルは、しばしば「歌の作家」と呼ばれます。彼の「メロディ」は、細やかなニュアンスに満ち、このうえなく繊細な詩の朗読にも例えられてきました。「4人の独唱者、混声合唱、児童合唱と管弦楽」による交響的カンタータ(En symfonisk kantat)《歌》は、1921年、スウェーデン王立音楽アカデミーの設立150年記念のために作曲された作品です。作曲家テューレ・ラングストレム(1884-1947)が詩を作り、第1部「わが歌、祖国-わが歌を生みし国よ!(Min sang, mitt land - du mina sangers land!)」と第2部「神殿が輝く。天空が鳴っている(Templet stralar. Rymder ljuda.)』から構成され、「歌の国スウェーデン」の最初の偉大な歌曲作家へのオマージュとしてリンドブラード Adolf Fredrik Lindblad(1801-1878)の歌曲《夏の日(Ensommardag)》が「モチーフ」として引用されます。第2部の冒頭に置かれた〈間奏曲(Mellanspel)〉は、ステーンハンマルの温かい人間性の生んだ「モルト・アダージョ、ソレンネ」の音楽が美しく、単独の作品としても演奏されています。「ステーンハンマルのオーケストラ」と王立音楽アカデミーの会員でもあるネーメ・ヤルヴィによる新録音です。このアルバムの曲はすべて、設立から間もない交響楽団の首席指揮者に就任するためステーンハンマルが、1907年、ヨーテボリに移ってからの作品です。演出家ペール・リンドベリがヨーテボリの劇場で上演した『ロメオとジュリエット』のための音楽は、ストリンドベリ、ヤルマル・ベリマン、タゴール、シェイクスピア、ゴッツィの劇のために書いた付随音楽の一作。作曲家ヒルディング・ルーセンベリ(1892-1985)がアレンジした、〈田園詩(Pastorale)〉〈クラント(Corrente)〉〈ガヴォット(Gavotte)〉〈ピーターの笛(Petters pipa)〉〈サラバンド(Sarabanda)〉の5曲の組曲版が演奏されます。《レヴェレンツァ》(イタリア語「尊敬、敬意」)は、《セレナード》第1稿の第2楽章として作曲され、1919年の改訂の際に省略されました。ウィーン古典音楽の「スケルツォ」の伝統へのオマージュといわれる音楽です。《2つの感傷的なロマンス》は、抒情的な「イ長調」と情熱的な「へ短調」の2曲。1911年ヨーテボリ、ステーンハンマルと長年の友情で結ばれたヴァイオリニストのトゥール・アウリンが聴衆を前に演奏した最後のコンサートで初演されました。この録音のソリスト、サラ・トルーベック(1978-)は、ヨーテボリ交響楽団第一コンサートマスター。楽器は、G.B.ガダニーニ(パルマ 1753年)。2008年に王立音楽アカデミーの会員に選ばれました。
(キングインターナショナル)
【曲目】
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927):
(1)《ロメオとジュリエット》組曲Op.45(ヒルディング・ルーセンベリによる管弦楽編)
(2)レヴェレンツァ~管弦楽のための(1911-13)
(3)2つの感傷的なロマンス~ヴァイオリンと管弦楽のための Op.28(1910)
(4)交響的カンタータ《歌》~独唱、合唱と管弦楽のための Op.44(1921)
【演奏】
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)、
ヨーテボリ交響楽団
(3)サラ・トルーベック(ヴァイオリン)
(4)カルロッタ・ラーション(ソプラノ)、マッティーナ・ディーケ(アルト)、ラーシュ・クレーヴェマン(テノール)、
フレードリク・セッテシュトレム(バリトン)、
ノルショーピング音楽クラス、
ヨーテボリ交響楽団ヴォーカルアンサンブル
【録音】
セッション録音:2018年2月、3月/ヨーテボリ・コンサートホール(ヨーテボリ、スウェーデン)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDハイブリッド(クラシック)
掲載: 2018年08月09日 00:00