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アブドゥライモフ、ガフィガン&ルツェルン響~『ラフマニノフ・イン・ルツェルン~パガニーニの主題による狂詩曲、交響曲第3番』

ラフマニノフ

ラフマニノフ財団完全協力プロジェクト。今や目が離せない昇り龍!俊英ガフィガンが、ラフマニノフ所縁のルツェルンを本拠地とするルツェルン響と成し遂げた最新録音。

ロシア革命の混乱の最中に母国を離れたラフマニノフは、帰国することも叶わずアメリカでピアニスト・指揮者として活動するようになりました。アメリカで名声を獲得する反面、演奏活動に多くの時間が割かれることとなり、加えてロシアを離れたことで母国を喪失したという思いも強く、想像力の枯渇を感じるなどして作曲にはなかなか取り組めなかったようです。
そんな中、1931年に夏の休暇を過ごすためにスイスのルツェルン湖畔に建てた別荘で1934年6月3日に作曲を開始し、同年8月18日に仕上げられたのがこの『パガニーニの主題による狂詩曲』で、パガニーニによる独奏ヴァイオリンのための「24のカプリース」から第24番の主題をもとに、24の変奏を繰り広げる壮大な「変奏曲」だったのです。
続いて作曲された『交響曲第3番』も同じルツェルン湖の別荘で、1935年6月に着手、1936年6月6日に完成。叙情性にさらに円熟味が加わり作曲家本人も深い愛着をもっていたようで、ラフマニノフの作曲活動の集大成ともいうべき一曲です。

1806年創設のスイス最古のオーケストラ、ルツェルン交響楽団とその首席指揮者として欧州楽界の注目を集める気鋭のジェイムズ・ガフィガン。2011年から首席指揮者を務めるガフィガンは、アスペンでジンマンに学び、クリーヴランドやサンフランシスコでウェルザー=メストおよびティルソン・トーマスのアシスタントを努めて研鑽を積んだ俊英。ルツェルン響の評価を著しく高め、2022年まで契約を延長したほか、オランダ放送フィル(チャレンジ・クラシックスにプロコフィエフの交響曲全集が進行中)、ケルン・ギュルツェニヒ管の首席客演指揮者の任にもあります。

ピアノ独奏には、2013年デッカからデビュー以来、世界各地の聴衆を魅了し続けているウズベキスタン出身のベフゾド・アブドゥライモフ。確かで華麗なテクニックは言うに及ばず、そのダイナミックな演奏スタイルは圧巻。持ち前の超絶技巧と情熱的な演奏で難易度の高い曲を鮮やかに聴かせてくれます。
ラフマニノフがルツェルンで作曲した2つの大曲が、ルツェルン交響楽団によって、美しいロマンティックな旋律の流れるような息づかいが感じられる演奏に仕上がっています。

パッケージはオールカラー72ページのハードカバー・ブック仕様のデラックス・エディションで、ラフマニノフ財団の研究者によるライナーノーツ(英・独・仏)および未発表写真多数が掲載されています。
(ソニーミュージック)

『ラフマニノフ・イン・ルツェルン~パガニーニの主題による狂詩曲、交響曲第3番』
【曲目】
1. ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
2. ラフマニノフ:交響曲第3番 イ短調 Op.44
3. チャイコフスキー(ラフマニノフ編):子守歌 Op.16-1

【演奏】
ベフゾド・アブドゥライモフ(ピアノ)[1, 3]
ジェイムズ・ガフィガン(指揮)[1, 2]
ルツェルン交響楽団[1, 2]

【録音】
2019年7月1-3日、ルツェルン・カルチャー・コングレスセンター(KKL)

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2020年01月31日 00:00