自作自演も収録!ブルガリアの近代作曲家パンチョ・ヴラディゲロフのピアノ協奏曲集(3枚組)
パンチョ・ヴラディゲロフ(1899-1978)はブルガリアの近代作曲家。1933年にはブルガリア現代音楽協会の創立メンバーに名を連ねるなど、ブルガリア音楽史に名を遺す重要な人物です。
少年時代から作曲とピアノを始めたヴラディゲロフは、やがてベルリンへ移住し、ベルリン高等音楽院でパウル・ユオン、プロイセン芸術アカデミーでフリードリヒ・ゲルンスハイムとゲオルク・シューマンに作曲を師事しました。1920年代から1935年まで、ベルリン・ドイツ劇場で演出家マックス・ラインハルトの下で作曲家とピアニストを務めた後、ブルガリアに帰国。ブルガリア国立音楽院でピアノを教えるとともに、幅広いジャンルの作品を書き上げヨーロッパ、ロシア、アメリカなどで演奏され高く評価されています。
没後、彼の作品は忘れられかけてしまいましたが、21世紀になって再度注目を浴びるようになり、いくつかの録音も生まれています。
そんなヴラディゲロフですが、ブルガリアでは1970年代に一連の録音が製作されており、Capriccioレーベルにはアルバム18枚分にも及ぶ音源が遺されています。CD3枚に渡って収録されたピアノ協奏曲は、ラフマニノフやラヴェルを思わせる色彩豊かなオーケストラをバックに、ピアノの技巧的なパッセージが映える聴きごたえのあるものです。また第5番はヴラディゲロフ自身が独奏を担当。彼が卓越した技巧を誇るピアニストであったことを証明しています。ここでタクトを振っているのは、彼の息子アレクサンドル(1933-1993)。偉大な父の音楽を未来に継承するために、見事な演奏を披露しています。
(ナクソス・ジャパン)
『パンチョ・ヴラディゲロフ:ピアノ協奏曲集』
【曲目】
パンチョ・ヴラディゲロフ(1899-1978):
【CD1】
1-3. ピアノとオーケストラのための協奏曲 第1番 イ短調 Op.6(1918)
4-6. ピアノとオーケストラのための協奏曲 第3番 変ロ短調 Op.31(1937)
テオドール・モウセフ(ピアノ)…1-3
イヴァン・ドレニコフ(ピアノ)…4-6
【CD2】
1-3. ピアノとオーケストラのための協奏曲 第2番 ハ短調 Op.22(1930)
4-6. ピアノとオーケストラのための協奏曲 第4番 ト長調 Op.48(1953)
クラシミール・ガテフ(ピアノ)…1-3
イヴァン・ドレニコフ(ピアノ)…4-6
【CD3】
1-3. ピアノとオーケストラのための協奏曲 第5番 ニ長調 Op.58(1963)
4-8. ピアノのための5つのシルエット Op.66(1974)
パンチョ・ヴラディゲロフ(ピアノ)…1-3
クラシミール・ガテフ(ピアノ)…4-8
【演奏】
アレクサンドル・ヴラディゲロフ(指揮)
ブルガリア国立放送交響楽団
【録音】
ピアノ協奏曲 第5番…1964(MONO)
ピアノ協奏曲 第1番-第4番、5つのシルエット …1972-1978 バルカントン、ソフィア(STEREO)
リマスタリング:マルティン・クレバーン 4tune Studio、ウィーン
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2020年07月27日 00:00