バス・ド・ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)版!ミリアム・リニョル~J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲(2枚組)
[Château de Versailles Spectacles 公式チャンネルより]
フランスの宮廷楽器ヴィオールによる、フランス式組曲の無伴奏!
バッハの『無伴奏チェロ組曲』は、イタリア由来の楽器であるチェロのための作品ながら、ヴェルサイユに宮廷を構えたフランス王室に由来するフランス流の舞踏組曲形式で構成されています。17世紀にリュートやヴィオール、クラヴサンなどの演奏家=作曲家たちが好んだ形式ですが、この点について徹底してフランス古楽の側からアプローチを試みたユニークかつ高水準なアルバムが登場しました。
ルイ14世やバッハの時代にも使われていたフランスの歴史的建造物を録音の舞台に、バス・ド・ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)を用いてこの作品全曲を録音したのは、フランス出身の名手ミリアム・リニョル。ヴィオール界の大御所フィリップ・ピエルロの主宰するリチェルカール・コンソートや、フランス古楽シーンの最前線を行く気鋭団体ピグマリオン、アンサンブル・コレスポンダンスなどで中心メンバーとして活躍中であるほか、川久保洋子、ジュリアン・ヴォルフスらとの室内楽グループ「レ・タンブル」の一員としても数々のディスクで高評価を博してきた俊才です。
これらの組曲が「なぜヴィオールで演奏されるのか」については、ライプツィヒ・バッハ協会の名誉会員ジル・カンタグレルやリニョル本人による解説でも説明されていますが、何より演奏解釈そのものが圧倒的な説得力に満ちていて、さながらバッハが当初からこの楽器とフランス音楽らしさを意識していたのではないかと思えてくる仕上がり。考え抜かれた曲順も効果絶大で、このあまりに有名な傑作を新たな角度から見つめ直す絶好の機会となるでしょう。20年ほど前にリリースされた、イタリアの名手パオロ・パンドルフォによるガンバ版とも異なる視点からの「フランス流儀のバッハ無伴奏」。ALPHAレーベルで創設初期から活躍してきた敏腕技師アリーヌ・ブロンディオの適切なエンジニアリングも光る逸品です。
※各組曲は移調されていますが、ピッチが標準よりもほぼ全音低いため、第1、2、3、5組曲については、ほぼ原調で響きます。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
J.S.バッハ(1685-1750):バス・ド・ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)による『無伴奏チェロ組曲』(全6編)
[CD 1]
1-6. 組曲 第3番 ニ長調 (原調 ハ長調) BWV 1009
7-12. 組曲 第2番 ホ短調 (原調 ニ短調) BWV 1008
13-18. 組曲 第4番 ト長調 (原調 変ホ長調) BWV 1010
[CD 2]
1-6. 組曲 第6番 ハ長調 (原調 二長調) BWV 1012
7-12. 組曲 第5番 ニ短調 (原調 ハ短調) BWV 1011
13-18. 組曲 第1番 イ長調 (原調 ト長調) BWV 1007
【演奏】
ミリアム・リニョル(バス・ド・ヴィオール〔ヴィオラ・ダ・ガンバ〕)
ピッチ A=400 Hz
【録音】
2020年11月16-21日、シテ・デ・ラ・ヴォワ、ヴェズレー、フランス
[日本語解説付き]