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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.162

ポール・スミス『ソフトリー・ベイビー』(1957)

PS

ポール・スミス(p)
バーニー・ケッセル(g)
ジョー・モンドラゴン(b)
スタン・リーヴィー(ds)

1957年1月14日、22日、ロサンジェルス録音

曲目:
01.ソフトリー
02.恋のチャンスを
03.イージー・トゥ・ラヴ
04.ロング・リヴ・フィニアス
05.時さえ忘れて
06.四月の思い出
07.インヴィテーション
08.アイ・ガット・リズム
09.ザ・マン・アイ・ラヴ
10.ブルース・ア・ラ・P.T.

【アルバム紹介】
1.“ソフト・サウンディング・ジャズ”ピアニスト、ポール・スミス
2.エラ・フィッツジェラルドの歌伴で知られ、気品あふれるタッチとライトな演奏が特徴
3.ギターに名手バーニー・ケッセルが参加したカルテット編成

「美人ジャケット」第3弾は、“ソフト・サウンディング・ジャズ”と呼ばれ、カクテル・ピアノ、イージー・リスニング・ジャズという系統で見られることの多かったウェストコーストのジャズ・ピアニスト、ポール・スミスの50年代のリーダー作です。

エラ・フィッツジェラルドの歌伴を長年つとめたことで知られるピアニストですが、その気品のあるタッチのピアノはオスカー・ピーターソン並みのテクニックがありながら、バリバリとインプロヴィゼーションを聴かせるピアニストとは趣を異にしており、耳あたりが良く、極端な言い方をすれば、ホテルのバー・ラウンジが似合うライトな演奏が特徴です。

本作ではカルテットの編成で聴かせており、ギターには名手バーニー・ケッセルが参加。楽曲は2曲自身のオリジナルがある以外はスタンダード・ナンバーがメイン、スインギーで軽やかなプレイで魅了します。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ライト&スインギーな名スタンダード“恋のチャンスを”。

50年代当時のモダン・ジャズ・シーンの中では、ライトな演奏よりはゴリゴリと聴かせる演奏が重宝されたのかもしれませんが、90年代以降、スタンダード曲を中心とした演奏による聴きやすいジャズが日本のジャズ・ファンに広く支持された時代を経た今、ポール・スミスの演奏を今聴いてみると、その源流だったのでは、と思わずにはいられません。
そんな点が端的に感じられる、2曲目の名スタンダード・チューンを聴いてみてください。
楽曲はヴァーノン・デュークが作曲した40年代のミュージカル・ソングで、その後ジャズのスタンダード曲として数々の演奏が存在するナンバーです。
リズム的な遊びを聴かせたアレンジで、小難しいことは一切排除した好演を聴かせています。それとともに、歌伴での高評を得ていたポール・スミスの技巧的器用さが存分に楽しめます。 聴けばハッピー、気分は晴れやか、そんな後味が残ります。

国内盤CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年01月21日 10:00