ワルター&NYP カーネギー・ホール・ライヴ/ブラームス:交響曲全集 (UHQCD3枚組)
1951年にカーネギー・ホールで演奏されたワルター&ニューヨーク・フィルのブラームス・チクルス、その交響曲全曲がついに3UHQCDで登場。
2番は2004年にターラで初CD発売されましたが、1番、3番は世界初CD。4番は国内初CD。50年代のニューヨーク時代がワルターのピークの時代ともいわれているワルターのライヴ・ブラームス、待望の全集登場です。
ブルーノ・ワルターは1951年1月18日~2月11日の約1か月間オール・ブラームス・プログラムの演奏会をカーネギー・ホールで14回実施しました。ワルターのHP作成で有名な丹野克洋氏の提供資料によれば、その全プログラムは下記のようになっています。ワルターはこのサイクルの後、2月12日にニューヨーク・フィルと交響曲第4番、ハンガリア舞曲集をコロンビアに録音しており、この時期いかにワルターが充実していたかが判る演奏会です。
●1951年1月18、19、20、21日[ブラームス・サイクル-I]
悲劇的序曲/ヴァイオリン協奏曲 [ジノ・フランチェスカッティ(Vn)]/交響曲第1番
●1951年1月25、26、27、28日[ブラームス・サイクル-II]
ハイドンの主題による変奏曲/ピアノ協奏曲第1番[クリフォード・カーゾン(P)]//交響曲第3番
●1951年2月1、2日[ブラームス・サイクル-III]
大学祝典序曲/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲[ジョン・コリリアーノ(Vn)レナード・ローズ(Vc)]/交響曲第2番
●1951年2月4日[ブラームス・サイクル-III]
ハンガリア舞曲第17番、1番、3番、10番/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲[ジョン・コリリアーノ(Vn)レナード・ローズ(Vc)]/交響曲第2番
●1951年2月8、9日[ブラームス・サイクル-IV]
ピアノ協奏曲第2番 [マイラ・ヘス(P)]/交響曲第4番
●1951年2月11日[ブラームス・サイクル-V]
大学祝典序曲/ピアノ協奏曲第2番[マイラ・ヘス(P)] /交響曲第4番
宇野功芳の激賞でターラの国内盤も大ヒットとなった「2番」、今回のエピタグラフの音は冒頭ラジオ・アナウンス付きで、ターラ音源とは入手ルートが違います。
音質は優るとも劣らない鮮明かつ迫真の音。あらためて聞き惚れてしまいます。「1番」「3番」「4番」もオーケストラの強大な響きを武器に、雄大な構成感、濃密な叙情性をともない、情熱の限りをぶちまけた激烈な演奏が展開されており、ワルターもやはりライヴの人であったことを痛感させられます。全曲拍手入り。
ボーナス・トラックにはこれもまた世界初CD化になる「悲劇的序曲」(54年ライヴ)を収録。2回のスタジオ録音(1953年にニューヨーク・フィルと/60年にコロンビア響と)も名演でしたが、さらに彫りが深く自発性に富んだ凄演となっております。この曲も終演後盛大な拍手が入っています。
「ニューヨーク・フィルとの総演奏曲数は1306曲で一番多いのはベートーヴェンの199曲、続いてブラームスの157曲、次いでモーツァルトが121曲であった」
(前述の丹野克洋氏の提供資料)― ベートーヴェンについで演奏回数が多かったブラームス。その愛着ぶりを叙実に示すワルターのライヴ・ブラームス、ファン必携の交響曲全集と申せましょう。
(キングインターナショナル)
【曲目】
ブラームス:
[DISC 1]
交響曲 第1 番 ハ短調 作品68(1951年1月21日)
[DISC 2]
交響曲 第2番 ニ長調 作品73( 1951年2月4日)
交響曲 第3 番 ヘ長調 作品90(1951年1月28日)
[DISC 3]
交響曲 第4番 ホ短調 作品98( 1951年2月11日)
<ボーナス・トラック>
悲劇的序曲 作品81(1954年12月19日)
【演奏】
ブルーノ・ワルター指揮
ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団
(いずれもニューヨーク、カーネギー・ホールでのライヴ)
Produced by Epitagraph(原盤:エピタグラフ)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2022年05月13日 18:00