THE STREET SLIDERS『天使たち』|【日本のロック名盤】80年代
日本のロック史において唯一無二、スライダーズの存在を確固たるものとした5thアルバム。
多くは語らず、粗削りでスリリング、それでいてルーズなロックンロールを武器に日本のロックシーンを圧倒してきた彼らが1986年に放った通算5枚目のアルバム。プロデューサーに佐久間正英氏を迎えた本作は、これまでのアプローチとは一線を画した、バンドサウンドの安定感、楽曲構成、そして彼らにしか出せないあの独特のうねりをダイレクトに感じさせてくれる作品。ギターの絡みが幻想的で美しい「Angel Duster」をはじめ、彼らを語るには外せない楽曲も多数収録されているが、1曲目の「Boys Jump The Midnight」から始まり、最後の「嵐のあと」に至るまでの完璧な流れ、個人的にはアルバムとしての素晴らしさはここにあるとも思っている。真夜中に始まり夜が明けていく感覚。絶妙である。気が付けばどっぷりと飲み込まれてしまう強引なグルーヴは、いつ何度聴いてもいまだ健在。ヴォリュームは上げ目で、是非堪能してみてほしい。
タグ : 日本のロック名盤 80年代 [anoto]
掲載: 2022年07月01日 18:00